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幕末維新の熱き志!「おきゃく」文化が若者を引きつける|高知県

2017/08/15 13:00

吉本興業が2011年にスタートした全国47都道府県「あなたの街に住みますプロジェクト」。芸人達が地元の企業や自治体、住民と組んで地域おこしに挑む。

幕末維新の土佐。〝熱き志〟を胸に、自然豊かな故郷に安住せず、京や江戸へと旅だった若き志士たち。高知に行けば、きっとそんな彼らの意思を受け継ぐ若者がいるはずだ。

さっそく高知JCの事務局を訪ねてみた。すると、理事長の水谷太一氏からは、意外な言葉が返ってきた。「今の若者たちは、地域にどっぷり安住していますよ(笑)。でもそれはいい意味で、みんな人生を楽しんでいるのです。まずは商店街を歩きましょうか」

向かった先は、市の中心部、帯屋町商店街にある「ひろめ市場」だ。60店舗ほどの飲食店が集まる屋台村では、真っ昼間から若者が男女を問わず酒を飲んでいる。

「ええきに、あんたも飲みや」

そう言って近づいてきたのは、高知県住みます芸人、淀家萬月だ。「高知のもんは楽しむんが好き。だからこうして〝おきゃく〟しゆうがね」。

萬月によると、毎年3月になると商店街のアーケードに7万人の人が押し寄せ、朝から晩まで9日間、酒を飲みまくるという。音楽と飲食を同時に楽しむイベント「土佐のおきゃく」である。ひろめ市場の拡大バージョンのような催しで、萬月は企画段階から加わり、商店街の重鎮との調整役を務める。
市の調べによると、開催12回目を迎えた今年は、経済効果が前年比11%増の7億6000万円と大きく伸び、来客数とともに過去最高を記録しているのだ。萬月が語る。

「おきゃくとは家に人を招いて催す酒宴。土佐のおきゃくが他の地域の宴会と違うところは、『よってき、よってき』と言って通りがかりの人を呼んでは、杯を傾ける歓談の輪の中に引き込んでしまうのです。土佐人には見知らぬ人を客人としてもてなし、楽しんでもらうことが、自分の人生をも楽しくするという文化が根付いています」

それを聞いた水谷理事長は、大きくうなずいた。「お接待文化ですね。例えば四国八十八箇所を遍路している人をもてなす習慣が古くからある。そうした風土のうえに土佐人のオープンな気性が重なり、おきゃく文化が発展したのでしょう。わざわざ来てくれた人に、とことん楽しんでもらいたい。そんな〝熱き志〟は、高知の財産ですね」


水谷太一◎1980年兵庫県生まれ、高知県育ち。1998年太平洋学園高等学校卒業。2006年高知みらい入社、12年代表取締役社長に就任。同年高知JC入会、13年高知ブロック協議会運営副専務などを経て、17年高知JC理事長に就任。スローガンは「雄飛の刻 〜青年が未来を変える瞬間〜」

淀家萬月◎1968年京都府京都市生まれ。2011年に高知県住みます芸人に就任。越知町観光おち大使、高知ファイティングドックスPR隊長、高知FC応援隊長、高知菓子工業組合青年会和菓子大使。FM高知「萬月・ヒノケンの噛めばCOMEほど」などに出演中。

Text by Hideyuki Kitajima|Photographs by Shinya Kondo