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コロナ禍でも子どもたちへ学習の機会を!~一般社団法人指宿青年会議所の京都会議、賛助企業との協力による「数学検定」事業の実現~

2020/11/12 20:00

 令和2年822日、鹿児島県にある一般社団法人指宿青年会議所(以下「指宿青年会議所」)の事業として「実用数学技能検定(数学検定・算数検定)」
(※)が開催された。※公益財団法人日本数学検定協会(以下「日本数学検定協会」)が実施する検定(後援:文部科学省。対象:1~11級)。



 なぜ、指宿青年会議所の事業として、他団体である日本数学検定協会の実施する数学検定が行われたのか。

 指宿青年会議所第47代理事長岩﨑新氏(以下「岩﨑氏」)に話を聞いた。
(出展:http://www.ibusuking.net/about-01/より)

個人的な想い×京都会議×賛助企業とのつながり


 「指宿だけではなく、全国の地方においては「小中一貫教育」と「小中学校統廃合(学校再編)」が大きなテーマとなっていないか…「教育の質を高める」ことと「地域に及ぼす影響」については、私達が様々な観点から考えなければならないが、「教育の質を高める」という点においては鹿児島県教育委員会や指宿市教育委員会にはあまり着目されていない現状がある…「具体的なデータや理論的な根拠があって、課題解決をしている」のではなく「制度や予算の都合上仕方がなく、右ならえでやる」といった印象が否めない…保護者の方や、地域の方々にとっても「子どもたちに、何を学んでほしいか」ということより「どこに家を建て、どこに暮らそう」といったパーソナルな部分にしか関心がないのではないか…他者に対して、子どもたちの教育について、どれくらい本気で向き合っているのだろうか…「教育」は何も学術的な物覚えだけではなく、人格形成に関わる「成長」に関与する部分が多岐に存在しているのだから、子どもたちが生きていく中で、安心して好奇心に満ち溢れ創造性をもって様々な物事に挑戦する意思をどうやって形成させていけばいいのか…」

 岩﨑氏は、「指宿市望ましい学校づくり調整会議」に委員として参加している中、日頃から、上記のような考え等に、とても頭を悩ましていたという。

 そのような中で岩﨑氏は、20201月に、指宿青年会議所第47代理事長に選任される。

 「選択する機会、挑戦する機会を可能な限り増やしてあげることくらいしか、保護者や学校が子どもたちにしてやれることはない。色々とやらせてみせ、それで興味があれば続くし、興味がなければ次のものへ――これを繰り返す。幸い、ネット媒体の急速な進展により「情報」には手が届きやすい環境になってきてはいる。それであれば、 まずはその環境を少しずつ行政や各団体と力を合わせて整備したい」

 指宿青年会議所の第47代理事長として活動する際には、かかる想いを持ち、「少子高齢化が進展する中で、地域課題を解決しうる人材となる青少年を育成することが急務である。また、次世代を担う子どもたちが「夢」を実現する意志を持ち、自分たちの道を歩ん でいけるよう手助けをすることは、大人である我々の責任だと、常日頃指宿JCのメンバーには伝えていた」と岩﨑氏は語る。

 その後、岩﨑氏は、令和2年1月下旬、例年、指宿青年会議所も所属する公益社団法人日本青年会議所の恒例行事であり、日本全国から1万名以上ものメンバーが参加するイベントである「京都会議」に参加する。

 同イベントには、先述のとおり、日本全国からメンバーが集まる他、会場には、日本青年会議所の活動を経済面等から賛助する「賛助企業」も集まり、ブース出展などをして、日本青年会議所メンバーへの支援等を行っており、日本数学検定協会も、賛助企業として長年協賛していたため、ブース出展していたのだが、これが悩める岩﨑氏の目を奪った。

「日本数学検定協会の出展していたブースを見て、直感的に『これだ!』と思いました」


 本見出しのように語る岩﨑氏は、京都会議を終えて地元に戻るや、地元の教育委員会関係者と話をし「少子化に加え、 現場の教職員の方々の業務が煩雑になっている関係で、なかなか学校単位で検定を実施するところが少ない」といった現状があると分析。

 自分がトップを務める指宿青年会議所の事業として、数学検定を行う手段はないかと、日本数学検定協会へ協力を仰いだところ、「提携会場」として地元で数学検定を開催できる制度があることを知り、これを利用して数学検定を実施することを決定。

 教育委員会からも後援を取得した上で、教育委員会の後援を得ていることを示しながら、関係書類を持って指宿青年会議所のメンバーが、直接学校やPTAを訪問し、生徒への告知を依頼した。

 時はコロナ禍。本来、絶好の告知の機会となる教育関連の会合が開かれないとの逆境にも負けず、できる限りの告知をして数学検定開催に臨もうとしていたところ、なんと開催1週間前には、指宿市にて新型コロナウイルスのクラスターが発生するとの事態にも見舞われた。

 このような中、最少人数で開催された本事業、もとい数学検定では、受験生も、参考資料を合間で読んでいたり、友達とふたりで仲良く参加していたりと、とても和やかかつ真剣なまなざしで受検する姿が見られた。

 既に2021年度夏期開催も数学検定協会と検討しており、次への準備が進んでいる。



子どもたちへの学習機会の提供を!


 まだまだ続く新型コロナウイルス感染症によるコロナ禍。

 感染拡大を防止したいことはもちろんだが、これを気にするあまり、子どもたちの学習の機会が奪われてはならない。

 本来学校で受検できた検定のチャンスが子どもたちから奪われつつあった中、日本数学検定協会の「提携会場」として数学検定を実施した本事業は、まさに岩﨑氏の言にもあったように、開催の告知にすら苦労してしまう現状における「子供たちに対する学習機会の提供」の一つの道標となる。

 ぜひ、読者の方も、本事業を参考に、子どもたちへの学習機会や教育機会の提供を数多く実現していっていただきたい。

〇一般社団法人指宿青年会議所のホームページはこちらをクリック

〇公益財団法人日本数学検定協会のホームページはこちらをクリック

text by トラノスケ