• HOME
  • 長寿の国で相次ぎ起きたこと 20年前の五輪効果?|長野県

長寿の国で相次ぎ起きたこと 20年前の五輪効果?|長野県

2017/11/15 13:00

吉本興業が2011年にスタートした全国47都道府県「あなたの街に住みますプロジェクト」。芸人達が地元の企業や自治体、住民と組んで地域おこしに挑む。

「これは健康的で美味しい」 ウガンダの将軍がそう言ったのは、長野JCの野村和正理事長の実家で信州名物のおやきを食べた1998年のこと。その年長野で冬季オリンピックが開催され、将軍は国際オリンピック委員会の要請で、地域の食文化に触れる国際交流を楽しんだのだ。当時大学生だった野村氏は、こう振り返る。

「五輪を機に長野の観光地やゲレンデが有名になり、新幹線と高速道路が整備されて東京や外国から人が押し寄せてきました。まちが急に賑やかになったのです。そしてそのころからです。地域の人の排他的な気質に変化が表れ始めたのは」 長野では、よそ者は受け入れられない。まずは愛される努力をしてくれ─。長野県住みます芸人、こてつの北村智は、市内のテレビ局でプロデューサーにそう言われたことをよく覚えている。実際、千葉から移住してきた彼は、「辛い目に合うことが多かった」という。「ここにきて、ようやく馴染んできた」と7年目のベテラン。

だがそれにもかかわらず、最近は東京から移住する人が増えているという。善光寺の近くなどで空き家を活用したカフェやレストランの開業が相次いでいるのである。相方の河合武俊が事情に詳しい。彼は地域の人々が食べ歩きながら、さまざまな飲食店を楽しむ「街バル」の企画に長年携わっている。地元では飲食店から集客の相談があるほど有名なのだ。

「キーワードは健康です。長野は男性の平均寿命が日本一の長寿の国。県北の野尻湖では、東京から移転してきた企業も増えています。彼らにとって働く場は、ネット環境と、近くにオシャレなカフェがあればどこでもいい。重要なのは健康に住めるところ。それに合う場所を日本中から探し、長野を選ぶケースが増えているのです」 では、地域の人々の意識はどう変わっているのか。河合は語る。

「最近の20代は非常に社交的になりました。これも五輪効果かもしれません(笑)。例えばホテルで開かれる個人パーティーが話題なのですが、とにかくプログラムが面白い。笑いがあるのです。僕が助言しているからですが(笑)、まだまだ長寿は続きそうですね」


野村和正◎1979年長野県生まれ。2002年日本大学卒業。05年野村司法書士事務所代表、17年野村建設代表取締役副社長。09年長野JC入会、16年日本JC財政審査会議副議長などを経て、17年長野JC理事長に就任。スローガンは「『夢』無限大 〜希望あふれる未来に向けて〜」

こてつ◎ボケ担当「河合武俊」(1977年長野県生まれ)とツッコミ担当「北村智」(79年群馬県生まれ)のコンビ。2006年に結成し、11年に長野県住みます芸人に就任。テレビ信州「ゆうがたGet!」、長野放送「PUSH」、長野朝日放送「金曜ときめきモール」などに出演中。

Text by Hideyuki Kitajima|Photographs by Shinya Kondo