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マル賢共選組合

後継者の確保率9割!お笑いに刺さった意外な人達|和歌山県

2017/01/15 13:00

吉本興業が2011年にスタートした全国47都道府県「あなたの街に住みますプロジェクト」。芸人達が地元の企業や自治体、住民と組んで地域おこしに挑む。

若者の雇用を増やしている農業が近畿にある。和歌山県有田郡の、みかん農家だ。地域で生産量が一番多いマル賢共選組合では、組合員の平均年齢が35歳。50人のうち半数以上は女性で20代前半が増えているという。

事の発端は、和歌山県住みます芸人の「わんだーらんど」である。2011年に大阪から地元和歌山に移り住んだ彼らは、まずは日本一の生産量を誇るみかん農家を応援しようと、みかん狩りにやってきた行楽客に漫才を披露。山に向かって「日本一のみかんは、うまちょろぴー」などと叫び続けた。

すると、それに反応したのは、意外にも地元の若い人達だった。その様子がSNSで拡散すると、「みかん栽培が面白そう」「450年の歴史があるんやって」と言い出したのだ。有田JCの張道暁理事長が解説する。

「若者が自信を持って農業を継げる仕組みづくりが地域の課題でした。最近の若い人は家でゲームばかりしていて、山や川に行くことなんてしない。そんなとき、わんだーらんどさんが、NHK番組で〝みかん芸〟をやり続けるもんだから、農業経営に関心が集まってきたんです。実際、マル賢さんの組合に所属する農家では、9割が後継者を確保しています」

それにしても、地域の若者はなぜ、農業の生産者になろうとするのか。そう問うと、わんだーの、うめドレッシングは訳知り顔にこう答える。

「僕達の活躍で、みかん栽培に火がついた、と言いたいところですが、本当のところは、マル賢さんのやり方に若者が共感したのがきっかけなんです」

マル賢の永石睦巳組合長は笑う。「収穫時に、ときには一家総出で夜通し行う家庭選別をなくし、生育中から複数回にわけて選別する新しい手法を取り入れたんです。それから、組合運営では若い人に権限を持たせました。委員会を複数立ち上げ、毎年役をまわす。議案は全員参加の会議で徹底討論する。組合員はみな、いわば社長なので面白がってやるんです」

すると、それを聞いた張道氏は、こう言うのだった。 「まさにJC手法ですね。JCで学んだことを家業で生かし、地域貢献する。さすが永石さん、OBです」

張道暁◎1977年和歌山県有田郡生まれ。2000年中央大学卒業。同年和歌山トヨタ入社、05年紀和自動車入社。10年有田JC入会、同年会員開発委員会、11年社会開発委員、事業特別委員会、12年会員開発委員会委員長兼理事、13年総務委員会委員長兼理事、14年副理事長、15年副理事長、16年専務理事、17年理事長に就任。

わんだーらんど◎ボケ担当「まことフィッシング」(1985年和歌山県日高郡生まれ)と、ツッコミ担当「うめドレッシング」(1985年和歌山県海草郡生まれ)のコンビ。2006年に結成し、今年で11年目。11年に和歌山県住みます芸人に就任。和歌山市観光発信人。NHK和歌山「あすのWA!」(月曜コーナー「わびたび」)などに出演中。

Text by Hideyuki Kitajima|Photographs by Shinya Kondo