• HOME
  • 就労支援の先駆け!『みらせん』が考える障がい者雇用

就労支援の先駆け!『みらせん』が考える障がい者雇用

2020/07/28 19:00

2017年2月、愛知県名古屋市に『特定非営利活動法人 障がい者みらい創造センター(以下みらせん)』が設立された。
名古屋では初の『知的障がい・発達障がい』に特化した障がい者雇用・障がい者理解促進団体である。
養護学校、特別支援学級、福祉施設等が多くある中で、なぜ就労支援に特化した施設を設立したのか?代表を務める竹内亜沙美氏(以下竹内氏)が考える支援とは?

【障がい者雇用を進めるには?】
大学を卒業してから通常学級の講師を経て、養護学校の教諭、中学校の特別支援学級教諭を務めていた竹内氏。養護学校を卒業した子どもたちが福祉施設で働く際の月収を知り、(当時は5000~10000円)この先どのように生きていくのだろうか・・・と不安に感じたことが現在の事業を起こすきっかけだった。
「当時受け持っていた生徒の半分が一人っ子、3人が生活保護世帯、3人がひとり親世帯、グレーゾーンで障がい者手帳を持っていない等、様々な家庭の子どもたちがいました。障がい者年金は手帳を持っていれば全員もらえると思っている方が多いですが、そうではないのです。将来、障がい者年金がもらえるかどうかは約束されていませんでした。(竹内氏)」

当時、養護学校(知的障がい)高等部を卒業後、一般就労をしている割合は、全国では33%に対して、名古屋では10%前後だけであった。竹内氏は将来、障がい者が働けるようになるための方法として、当時勤めていた支援学級で、内職の授業を設けることにした。大学を卒業してすぐに教諭となったため、キャリア教育とは何か?まずは企業に話を聞くことから始めた。地元の企業を訪ね、障がい者でも出来る内職を紹介してもらい、企業の社長にも授業の様子を見に来てもらうようにお願いもした。週1回、内職のみ行う日を作り、1年間続けたところ、子どもたちの成長には驚いたという。企業にとって、コミュニケーションが取れることが第一かと思っていたが、生産性の部分で戦力になることを評価してもらえたことで、自分の方法は間違っていないと確信した。

【世の中のために自分ができること】

授業内の内職は、名古屋市内の学校にも広がっていくことが理想ではあったが、7年目の教師にとっては、多くの学校にアプローチをかけることは難しく、自分のクラス内で行うことがやっとであった。進めていくうちにふと気付いた。
“何をしたら障がい者雇用が増えるのか知っているのに。子どもたちが企業の内職をやり、相互理解の機会を長期でもつことが一番の近道であることを自分は知っているのに、目の前の数人の生徒にしか教えてあげれていない・・・”
そんな時、公益社団法人 名古屋青年会議所(JCI名古屋)で開催された2月例会「爆発する人間力を確立する例会」に誘われた。他者を惹きつけて止まない爆発的な人間力を備えている方々のプレゼンしている姿を見て、“世の中に必要なことをやっていかなければいけない!”と気付かされた。

「公務員を辞め、設立したばかりのNPO法人の事業計画を変えました。教員の私が出来ることだけだったことを、福祉施設も企業と繋ごう、学校教育を福祉におろしていくことで福祉のレベルも上がり、機会も増えるのではないか等です。就労支援も18歳以下の子どもに広めたいと思いました。1年後、今度は自分がJCI名古屋の人間力大賞に出場し“障がい者雇用を変えます!”と宣言して、勤めていた養護学校を退職しました笑(竹内氏)」
『みらせん』を設立してから1年後、2018年には、第32回人間力大賞(現:JCI JAPAN TOYP)の厚生労働大臣賞を受賞し、多くの注目を浴びた。

text by まさる