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サンゴを植え付けている様子(パルシステム)

ピックアップ!地域から発信SDGs

2019/01/07 13:00

SDGsによってこれまでの取り組みがクリアな輪郭をもち、SDGsがこれからの事業を導くチェックリストになる。先駆者の事例から、「SDGsの使い方」も見えてくる。

CASE1: 北海道下川町

「マイナス30℃でも移住者続々。SDGs自治体のトップランナー」

人口3300人、65歳以上の人口率39%、森林面積88%。この小さなまちが今、SDGs地方創生モデルとして全国から注目を集めている。レバレッジポイントは「森林バイオマス」。主産業である林業に伴う未利用資源を再エネに用い、地域の熱供給源とする試みだ。

2004年にスタートし、現在11基のボイラーが稼働。公共施設に暖房と温水を届けており、熱自給率は町全体で約5割に上る。灯油に比べ年間1900万円の節約となり、半分はボイラー更新費用積立に、残りの半分は子育て支援に回されている。

下川町が1960年から取り組んできた「60年で植林、間伐、伐採を一巡させる」循環型の森林経営を基礎に、森林資源を「徹底的に使い切る」ための事業が多数生み出され、新たな雇用と収入、移住者を呼んだ。経済・社会・環境をつなぐ、まさにモデル的課題解決だ。

北海道下川町◎2018年政府創設の「SDGs未来都市」および「自治体SDGsモデル事業」に選定。吉本興業と「SDGs推進における連携協定」を結び、プロジェクト“下川町株式会社”もスタートしている。

CASE2: パルシステム

「作り手と会い、『ほんもの』を知ろう。150万人の“選ぶ”が社会を変える」

「パルシステム生活協同組合連合会」は、個人宅配「パルシステム」を基盤とする、首都圏を中心とした1都10県のいわゆる“生協”のグループだ。同会は2014年度から、「ほんもの実感!くらしづくりアクション」キャンペーンをスタート。

長年開発してきたエシカルな「商品」はもちろん、価格や効率最優先ではなく、社会性や環境面に価値を置いた「生産から消費、廃棄までを含めた“消費行動”」を「ほんもの」と表現。商品を「選ぶ」ことで、持続可能な社会が実現できることを広く呼びかけた。年間2万人が参加する「農業体験」や、沖縄もずくの売り上げの一部を用いる「サンゴ植樹」、ムダなく使い切るための保存食啓蒙や食材管理アプリなど取り組みは多彩。

政府の「ジャパンSDGsアワード」受賞のほか、海外のSDGsイベントに招聘されるなど、長期かつ重層的な活動が高く評価されている。

パルシステム◎1990年設立。組合員152万人、事業高2117億円。各地の生協連合会のなかでも、添加物の少ない商品や低農薬の産直品など、価格競争に与しないPB商品が多いことで知られる。

Text by Michi Sugawara