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Alexandros Michailidis / Shutterstock.com

SDGsはいかにして国際目標となったのか

2019/01/07 13:00

世界的な課題解決はどのようにして可能となるか。2015年、国連で採択された国際目標は今、国だけでなく世界中の民間企業をも取り込み世界的ムーヴメントとなった。望むべき未来の獲得に向けた挑戦はすでに始まっている。

2015年に国際連合(以下、国連)が掲げた「SDGs」(持続可能な開発目標)は、「貧困をなくそう」「海の豊かさを守ろう」といった、17のゴールと169のターゲット、232の指標が掲げられた国際目標だ。 そもそも国連では1945年の国連憲章の起草以降、「平和・開発・人権」を重んじる形で活動を続けてきた。89年の東西冷戦終結後も、湾岸戦争やコソボ紛争といった紛争は絶えず、先進国と発展途上国の格差が国際的な喫緊の課題として浮上してきたためだ。こうした状況を受け、国連は2001年に発展途上国向けの「MDGs(ミレニアム開発目標)」を策定。貧困や飢餓、教育と いった8つの分野での国際目標を定めた。

しかし、MDGsは発展途上国に対する先進国の支援という形で進められ、その結果、国家間や途上国内での経済格差、情報格差がより顕著となることが明らかになった。そのため、国際社会は「発展途上国の向上のためには、経済成長が必要である」との認識を新たにするのだった。

一方で、国連は84年から「環境と開発に関する世界委員会」で委員長を務めたグロ・ハーレム・ブルントラント氏が「サスティナビリティ(持続可能性)」という概念を提唱する。

持続可能性とは、人口増加やそれに伴う環境破壊に対し、長期的な視野で環境保全や経済発展を志向するという考え方である。以降、国連内では「環境・持続可能性」という考え方が重視され、97年にCO2排出量削減などを打ち出した「京都議定書」などもその一例だ。

「平和・開発・人権」と「環境・持続可能性」といった別々だった国際社会の大きな流れは、2005年のコフィー・アナン国連事務総長(当時)による事務総長報告書「よりいっそう大きな自由の中で」の下で統合されていくことなる。 11年より国際社会が目指すべき目標として国連内で交渉が始まり、15年に妥結された国際目標がSDGsだ。SDGsは歴史上初めて、国連加盟国193カ国すべてが完全な全会一致で合意した歴史的な政治宣言であり、社会課題が拡大複雑化する中で、世界がどのような未来を目指すのか、を明確に定めたものとなっている。

しかし、SDGsは政治宣言であるため、法的拘束力もなければその実現方法や財源も特定されていない。ある種の〝夢物語〟とも思えるが、国連サミットでのSDGs採択以降、日本政府は16年にSDGs推進本部を設置。

また、コカ・コーラやインテルといった名だたるグローバル企業もSDGs実現に向けて動き出している。

Text by Michi Sugawara