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子育てするなら四日市! 森市長の取り組む少子化対策とは

2020/04/29 12:00

2020年3月14日、公益社団法人日本青年会議所(以下、JCI日本)人口政策推進会議 議長の田辺直也氏は、三重県四日市市長の森智広氏を訪れた。四日市市は、「結婚・出産・子育て・男女平等社会進出」について積極的に取り組まれており、子供を産み育てることが幸せと感じられる社会の創造の実現を目指しているJCI日本の運動に対して、ご意見やご提案をいただくためだ。四日市市の子育て支援政策とはどのようなものであろうか。



田辺直也(以下田辺):森市長が、日本全国そして四日市における少子化に対してどんな問題課題を感じているのかを教えてください。

森智広市長(以下森):日本全体で見たときに首都圏などの都市部と、四日市市のような地方都市では色合いも違って、自然減に加えて人口が都市部に吸い寄せられてしまうという社会減もあり、地方は人口減少がより一層進んでいるという状況です。四日市市は地方都市としては社会増ではありますが、今後も人口減少が加速していくと社会増だけでは補い切れない時が来るのではと危機感を感じております。既婚男女の持つ子どもの数が2人を切ってきているので、既婚率が上がれば子どもの数が維持できているという時代ではない。ですから、既婚率を上げることに加え、結婚された方が希望通りの子どもの数を持てるような環境作りが大事だと思っています。

また女性の社会進出が進み専業主婦の比率が下がってきている一方、核家族化も進んでいて、その中で家庭での子育てをいかに行なっていくか。そのためにはやはり男女共同で子育てを行い、経済的もしくは自己実現のために仕事をする女性の生活を尊重していけるような施策に取り組んでいきたいと思っています。(左:四日市市長 森智広氏 右:JCI日本 国家グループ 人口政策推進会議議長 田辺直也氏)

田辺:子育てに関するお話が出ましたが、四日市市として子育て世代をサポートするための独自の政策があれば教えていただければと思います。

森:まず少子化の以前に少母化といって、四日市市は人口が増えている傾向にありますが、潜在的に母親となりうる若い女性が減っています。そこで「子育てするなら四日市」と言うフレーズを掲げ、子育て世代や子どもたちをしっかりと支援しています。

重要視しているのは、女性が子どもを産んでも働き続けていけるような環境、子育ての負担をいかに減らしていけるかという視点、そして教育水準の向上です。具体的な施策としては、子どもの医療費やひとり親家庭の支援体制も充実させております。待機児童に関しては、以前は三重県内の6割の待機児童が四日市市に集中していましたが、今年度から待機児童がゼロとなりました。女性が働きやすいよう、行政として企業に働きかけて就業規則の改正や体制作りを推進しています。また四日市市は工業都市ですが、現場の中に女性のトイレや更衣室がないところもあり、そのような環境整備の補助も行っています。

田辺:少子化対策というと子育て支援に目が向きがちですが、まずは若い女性がいないといけないということで、そういった取り組みが全国に広がっていくと、都市部の人口集中解決の糸口になるのではないかと感じました。

次に、男性の育児参加についてです。私達青年会議所メンバーはまさに子育て世代が多く、また経営者も多い団体ですので、青年会議所内での男性の育児参加を推進しようという計画をしているところですが、四日市市における男性の育児参加についてお話を伺いたいと思います。

森:企業に男性の育児参画を働きかける前に行政が先陣を切るべきだということで、四日市市では「イクボス宣言」を全所属長がするという取り組みをしています。「イクボス」とは、「育児を含めた部下のプライベートの充実に理解を示す上司」と言う事です。もちろん私も宣言をしました。

また男性の育児休業の取得にも四日市市も力を入れていて、2年前に私自身が1週間の育児休業を取得してから、それまで数%だった取得率が昨年度は全国平均が6%のところ、21%を超えました。取得しろと言葉で言うのもいいですが、トップ自身が取得するのが非常に大事だと感じました。今後も100%を目指して取り組みをすすめたいと思います。

田辺:男性の育休取得は伝染していくもので、一人目の取得者の影響力によってその伝染力や伝染の仕方が違ってくるという話を聞いたことがあります。やはり市長自らが取得された結果、一気に広がりを見せたということで、我々経営者層が積極的に男性の育休を取得することが重要であると感じました。

続いて我々の運動についてお話をさせていただきたいと思います。若者が妊娠や出産に関する教育を受ける機会が日本では諸外国に比べて少ないため、晩婚化晩産化により妊娠率の低下や流産率の上昇が起こるといった知識に乏しい傾向にあります。また、経済的な不安により結婚・出産・子育てに前向きになれなかったり、男性が家事育児に参加する時間が少ないことが第2子第3子の出産に関わってくるというようなこともあります。そこで正しい情報を若者に知っていただくために、LINEのチャットボットというシステムを利用して若者が気軽に興味を持ちながら面白く容易に情報にアクセスできるような仕組みを作りましたので、お試しください。(ライフデザインをサポートするLINEを活用したチャットボットミライフくん https://www.me-lifebot.com/)


森:確かにそういった情報を皆さん知らないですよね。このような情報を早く知っておくべきです。

田辺:お試しいただきありがとうございました。最後に青年会議所メンバーに対するメッセージをいただければと思います。

森:私も青年会議所を卒業して1年と少しではありますが、現役の方が社会の問題に焦点を当てて様々な取り組みをしていただいているのを心強く思っております。青年会議所そして行政それぞれの立場で街の未来を作っていければと思っています。そして人口政策推進会議が取り組んでいる人口減少という課題は、日本の行く末を左右するレベルの極めて大事な課題だと思いますので、すぐには解決の糸口にはならないかもしれませんが、多くの方が問題意識を持っているような国になっていけば変わっていくと思います。日本全体を盛り上げていただければと思います。



◆森智広 / Tomohiro Mori(JCI四日市シニアメンバー)
1978年生まれ、三重県四日市市長。立命館大学理工学部卒業。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。
三重県最大の産業都市である四日市市を「31万人元気都市」へと導く。

◆田辺直也 / Naoya Tanabe(JCI飯能)
公益社団法人日本青年会議所 人口政策推進会議 議長。
https://www.me-lifebot.com/
https://www.facebook.com/2020pppc/


text by 人口政策推進会議