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国営武蔵丘陵森林公園(埼玉県比企郡)

アフリカの困難を考え、地域で行動する芸人の眼差し|埼玉県

2019/01/04 13:00

吉本興業が2011年にスタートした「あなたの街に住みますプロジェクト」。07年からは国連と連携し、SDGs×お笑いの力で地域を元気にしている。そんな芸人たちが、未来を笑顔であふれる世界にするためにしていること。

「SDGsに詳しいようですね」

2年ぶりに会った埼玉県住みます芸人のボヨンボヨン、岡本昌典にそう問うと、苦笑しながらこう返してきた。「芸人が真面目にSDGsを語るとちょっと違和感があると思うのですが、実はそこを狙っています。門外漢の芸人でも理解できるのだったらと、みんな面白がって耳を傾けてくれる」。

2017年1月、吉本興業が社員や芸人を集めてSDGsの勉強会を始めたときのこと。岡本はある有識者の言葉に耳を疑った。「アフリカで大気汚染が深刻化している。原因は家庭用コンロです」。

家電量販店で営業の仕事が多いボヨンボヨンは、電化製品に詳しい。コンロといえば電気かガスかの二者択一だ。だが、それらが普及していないアフリカでは、いまでも調理や暖房に石炭のコンロが使われていて、そこから発生する有害な煙が大気汚染や健康被害の元凶になっているというのだ。

遠いアフリカの話とはいえ、自分ごとのように思えた彼らは解決策を模索。すると、それには地球規模での再生可能エネルギーの利用拡大と、バイオマス燃料を利用したクリーンなコンロの開発が必要であることがわかった。

ボヨンボヨンは、企業や行政に再エネ利用を促す活動を始めた。中学生向けの出前授業や、年500回を超える路上ライブでは、SDGsのエバンジェリストと化した。そして彼らはいま、再エネコンロの開発プロジェクトを本気で考えている。メーカーを巻き込み、投資家に出資を呼びかけ、地域でSDGsのビジネスモデルをつくるというのだ。

どうだろうか。とてもお笑い芸人とは思えない発想である。相方の山本はこう語る。 「SDGsに取り組むことで出会いがあり、共に考えてはそこに笑顔が生まれる。地球規模で考え、足元から行動することがSDGsのキモかもしれませんね」

ボヨンボヨン◎岡本昌典(1984年埼玉県生まれ|写真左)と山本修平(83年神奈川県生まれ|同右)のコンビ。2003年東京NSC入所。09年結成。17年埼玉県住みます芸人に就任。特技のヨーヨーで新たなお笑いパフォーマンスを展開。地域ではSDGsのご意見番的存在のナイスガイズ。日本テレビ「嵐にしやがれ」などに出演

Text by Hideyuki Kitajima|Photographs by Ryo Higuchi