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日本経済「成長の鍵」を握るダイバーシティ経営とは?

2020/03/04 12:00

ダイバーシティ経営とは何か。言葉は聞くが、実はよく分かっていない。そんな方も多いのではないだろうか。ダイバーシティは、和訳すると「多様性」という意味。人種的な多様性、社会的な多様性、労働者の多様性、そういった「多様な人材を活かす戦略」のことをダイバーシティ経営という。

2020年2月11日愛知学院大学日進キャンパスで公益社団法人日本青年会議所東海地区愛知ブロック協議会が主催する名古屋会議が開催された。注目のメインフォーラムは、「ダイバーシティ経営の有用性と新しい組織の在り方」についてであった。

人口減少、高齢化社会に突入している日本経済「成長の鍵」を握るのは、ダイバーシティ経営なのか?


本フォーラムは2部構成で進められ、第1部は、日本経済の中長期展望と企業のダイバーシティ経営について、フジテレビ「ホンマでっか!TV」でおなじみの門倉貴史氏(以下、門倉氏)の講演があった。門倉氏は、『中長期の日本経済は、人口減少の加速に伴う労働力人口の大幅な減少や、人口の年齢別構成も人口オーナス期(注1)であり、日本経済は安定成長しづらい状況である』とし、これらの対処として『日本独自のSDGs実施方針である「あらゆる人々の活躍の推進」を進め、高齢者、女性、障がい者、外国人の労働に参加する人の数を増やす政策が重要になってくる』と述べた。特にダイバーシティ経営の中の女性の労働力の活用については、『女性の重役や取締役が増えることで、女性社員や女性客の心理を深く把握でき、労働生産性の改善、売上の増加を実現しやすく、労働の面で男女平等が完全に実現すると、約80兆円の経済効果がある』と締めくくった。

(BRICs経済研究所 代表 門倉貴史 氏)

続いて、第2部では、門倉氏、公益社団法人東京青年会議所 2017年度 第68代理事長 波多野麻美氏(以下、波多野氏)、一般社団法人中部SDGs推進センター 代表理事 戸成司朗氏(以下、戸成氏)を交え、パネルディスカッションが行われた。

(左 :BRICs経済研究所 代表 門倉貴史 氏
(中央:公益社団法人東京青年会議所 2017年度 第68代理事長 波多野麻美 氏)

(右 :一般社団法人中部SDGs推進センター 代表理事 戸成司朗 氏)

戸成氏は、『日本の生産人口の減少に対処する方法として、外国人労働者や女性の活用という動きがあるが、外国人労働者の受け入れは、国として移民政策に対しての制度設計や国民としての覚悟が必要であり、女性活躍に関しては、パートタイマ―で活用する意味ではなく、本来女性が持っている潜在的能力を活かし、男性と女性が一緒になって物事にあたることがイノベーションにつながる』と述べた。

(一般社団法人中部SDGs推進センター 代表理事 戸成司朗 氏)

波多野氏は、『テクノロジーの発達によって時間や距離、国境、組織、様々な壁が無くなっていき、世の中がフラットになり価値観は多様化している。今や多様性は、企業や組織の存続という点でも求められている』と述べた。さらに、『強い組織を作るために、戦略的に多様性を活用することがポイントであり、ステレオタイプの思考を捨て、選択肢を多くもち、同じベクトルを向きながらも多様な価値観の中で受け入れられるようなルールのカスタマイズが必要である』と強調した。

(公益社団法人東京青年会議所 第68代理事長 波多野麻美 氏)

結びに、改めて日本の経済成長はダイバーシティ経営が鍵となり、個人個人がお互いを尊重し、多様性を受け入れる必要があることが浮き彫りになった。


(注1)少子高齢化が進み、人口構成上、生産年齢人口(15歳から64歳まで)に対するそれ以外の従属人口(年少人口と老年人口の合計)の割合が高まる時期のこと。社会保障費などがかさみ、経済成長を阻害する時期とされる。オーナス(onus)とは、英語で「重荷、負担」の意味。逆に生産年齢人口の比率が相対的に上昇する時期のことを人口ボーナス期という。

text by ソウ