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『良いものを長く・・・』洋服で考える持続可能性

2020/09/11 09:00

昨今、ファストファッションという分野が服飾業界的には大きなトレンドになっている。
ファストファッションとは、流行のデザインを取り入れた衣料品を迅速に大量生産し、短期間に売り切ってしまうファッション・ブランド、ビジネスモデルのことだ。流行に敏感で同じ服を単一シーズンしか着ないという消費者層に支持され、世界的に売上を伸ばしている。安くて早い“ファーストフード”になぞらえてこう呼ばれる。定番商品をもたず、最新トレンドを反映して新商品を大量生産し、短期間で新しい商品と入れ替えてしまう。Tシャツ1枚数百円、ワンピース1着数千円などと価格が安い点に特徴がある。

そんな中、“良いものを長く着る”という考え方で、トレンドとは逆の発想で昔ながらのトレンドを貫いているのが株式会社ワンフォーワンだ。
マネージャーを務める新井岳氏(以下新井氏)に話を伺った。


「価格が安価で手の届きやすい洋服もいいかもしれませんが、そこには過酷な生産環境があるのは目に見えております。(新井氏)」

ファストファッションの大量生産の裏側には、低賃金で重労働を強いられる発展途上国の労働者がいる。さらに価格が低く、目まぐるしく流行が変わっていくため、消費者は買っては捨てを繰り返している現状があり、家庭からごみとして出される服は年々増加、環境問題にも影響を及ぼしている。

オーダースーツは発注をもらってから、約1ヵ月半~2ヵ月の期間が必要だ。株式会社ワンフォーワンでは、時間をかけて作ることで洋服1着1着に愛着を持って接することを大切にしており、気づけば信頼のおける洋服になるように、と考えながら洋服を仕立てているという。

「普段から“つくる責任、つかう責任”を意識することにより、それをお客様に伝えることで共感していただき、会社のイメージの向上にもつながっていると感じております。これからも持続させること、この考え方を後世にも伝え続けることが大切なのではないでしょうか。(新井氏)」

同社は2030年までに世界が取り組む持続可能な開発目標SDGsについて、洋服を通じて、普段使っているものに対しての考え方を再度見つめ直す機会を提供し続けていく。


新井 岳/Gaku Arai
株式会社ワンフォーワン マネージャー(JCI東京)
東京都港区北青山に構えるオーダースーツ店で勤務。
オーダースーツ工場というより、縫製工房という規模の工場と連携し、1着にかける作業工程を多くし、
着心地の良さに拘り、生地も直接イタリアに買い付けに行くなど、他店にはない拘り抜いたオーダースーツを販売。
http://www.tagli-arte.info/

text by キャサリン