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心のバリアフリー~障害を理解し、共生社会実現へ~

2020/07/17 14:00

障がい者のための施策で総合的かつ計画的な推進を図るため、東京都知事の附属機関として「東京都障害者施策推進協議会」が設置された。
委員を務めた経験がある根本将吾氏に話を伺った。

仕事を通じ、知的障害を抱える青年に対して、就労支援に携わってきた根本氏。
青年たちと一緒に過ごす中で、共に笑い、仕事に直向きな姿勢を見ると、人を思いやる気持ちや優しさに触れ、改めて気付かされることが多く、その思いから「差別・偏見」を無くしていきたいと、東京都の審議会で「差別解消と心のバリアフリー」について議論に参画した。



東京都では「ダイバーシティ」という言葉が多く聞かれるようになり、人々に浸透していく中、心の豊かさを追求する契機となっている。
支援が必要な方への理解や互いを思いやる心がより醸成されることで、全ての人がお互いに尊重し、支え合いながら共に生活する社会が実現することが望まれる。

2018年に、「障害者雇用促進法」が改正され、法定雇用率2.0%から2.2%に引き上げられると同時に、精神障がい者が算定基礎に入った。
こうした取り組みは、各企業の努力成果であり、着実に広がりを見せていることに安堵するものだが、依然として「共生社会の実現」としては道半ばのように感じる。
ここで慶応義塾大学名誉教授 吉村泰典氏が書いた記事を引用させていただく。(日本経済新聞2017年4月6日掲載)
「本当の問題は障害それ自身ではなく、社会の方にあるのではないだろうか。これまでの社会は、障害を持った人と家族が差別や負担にもがき苦しむ社会だったように思う。障害をもつ子どもが生まれても、不安なく育てていける社会であるならば、出生前診断などで命の選択をしなくてもよくなるのではないか。その為には、社会の人々が、障害に対して正しい知識を持ち、マイノリティーの声に耳を傾け、障害を抱える人々の権利を守り、安心して暮らせるような仕組みを築く必要がある。」

人々の心の面で、「障害」を受け入れられる土壌を整えているか、どの様にしていけば理解されていくものかといったことが、社会に突き付けられた問いであり、乗り越えていくべき課題だ。
その観点から、SDGsの基本理念に沿う「ダイバーシティ」構想に深く共感し、今後の「東京」を体現するものと考える。
障害を抱えている人々は、過去から学び現在・未来へと幸福を見つけ成長していく。その姿に心から感動し、私たちの価値観をいま一度問い直してくれる、かけがえのない仲間として存在している。

『審議会を経た今、私は健常者と障がい者との境界を、より縮めていきたい。「心のバリアフリー」に係る橋渡しとなり、多様性ある豊かな共生社会を構築していくためにも、役割を果たしたいとの思いがある。障がい者への意識上の壁を取り除くためには、それぞれの障害特性と障がい者本人の状況に応じたコミュニケーションや移動の円滑化を図ることが重要であり、障害のある人とない人が、職場や地域社会で出会い、様々な機会に自然に交流し、たとえ障害があっても周囲の人々の配慮や支援があれば街なかで暮らし、一般の職場で働けることをご理解いただけたら嬉しい。そして少しでも関心を寄せていただきたい。』と根本氏は語る。




根本 将吾 / Shogo Nemoto  
学校法人 帝京大学職員(JCI東京)
大学職員として、障害福祉に携わっている事から、知的障害を抱える青年への就労支援業務を行い、その過程から、「東京都障害者施策推進協議会」の委員を務めた後、ハンセン病の理解を深める東村山市主催「多磨全生園を学ぶ講座」に参画・参加に至る。

text by キャサリン