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「LOOK BEYOND」~枠に囚われるな~

2020/02/19 12:00

「男らしく」を脱け出そう!
人からどう思われているか、意識せざるを得ないこの現代において、肩の力を抜いて個性と向き合うほうが素敵に見える。
そう、マイペースにいこうよ!
私たちは、多様性ある社会を目指しているのだから・・・

そのようなコンセプトを基にしている社会派コスメブランド「BOTCHAN」。
ブランディングを担当している福岡英一氏(STUBBINS.LLC)に話を伺った。

【墓石小売業からコスメブランド!?】

「BOTCHAN」の企業母体は、大阪にある「墓石小売業」だ。
「墓石小売業」にどのようなイメージを抱くだろうか。
社長自身、陰と陽でいくと、“陰”のイメージと捉えており、ハッピー(陽)な新規事業を手掛けたいという想いから、化粧品企画が始まった。
もともと、ジェンダーレスコスメを作ろうとか、SDGsの達成を目的にスタートしたわけではない。
2兆7000億円の規模である化粧品市場の中で、男性用化粧品はわずか5%だ。
男性用化粧品というと、イメージするのは爽快感や男らしさ…その層とは少し違う「繊細男子」をターゲットとした。
ここでいう「繊細男子」とは、「多様性」が問われる中、男らしさに囚われることのない、単に女性寄りに近づく事でもなく、どこか肩の力が抜けているように見えて、オシャレに敏感であり、強いこだわりを持ち合わせた男子のことだ。多様な人々に向けて、時代の型にはまらない自由で柔軟な自分らしさを表現する人を応援していく「For Men?」というところから「BOTCHAN」が誕生した。

【毎日使いたくなる化粧品へ】

男性用化粧品というと、爽快感やワイルドなイメージで、パッケージは黒や白など、シンプルなものが多い。
「BOTCHAN」はカラフルなパッケージで、常識にとらわれることのない、まさにブランドを象徴する“多様性”を表している。
6種類すべて揃えると虹色になる仕掛けも施され、開封する前のバージンシールも虹色にするというこだわり。
香水ボトルでテンションが上がる女性がいるように、男性だって洗面台に置いてあるだけでテンションが上がるグッズがあっても良い。
中身については、天然由来成分が非常に多く配合されており、敏感肌の方でもストレスなく使用出来る。
髭剃り後に化粧水がしみて痛い体験をした男性も多いのではないだろうか。
「BOTCHAN」のトナーは髭剃り後もしみることなくしっかり潤いを与えてくれる。
リップバームについては、マット感を重視して作られており、唇のテカリが気にならない。
などなど・・・「繊細男子」が気になるところにも手が届いている。
“モテるため”というよりは、自分を確認して自分を見つめなおす機会になってほしいという。
もちろん、女性が使用するにも十分なので、恋人同士でシェアしたりも出来る。
凝ったパッケージで、成分も良いとなると価格が気になるところ。
「BOTCHAN」の商品が最初に販売されたのは、新宿の伊勢丹であるが、百貨店で販売されている商品にしては良心的な価格である。
新しい習慣を根付かせ、日常的に使用してもらいたいという思いからだ。


「BOTCHAN」の商品は全部で6種類。
■BOTCHAN GENTLE CLEANSER(洗顔)¥1,900
■BOTCHAN FOREST TONER(化粧水)¥2,000
■BOTCHAN FLOWER MOISTURIZER(美容乳液)¥2,300
■BOTCHAN SKIN PERFECTORーMATTE-(メンズ肌補正クリーム)¥2,300
■BOTCHAN COLOGNE STICK(コロンスティック)¥2,300
■BOTCHAN HONEY LIP BALM(リップバーム)¥1,300

ノベルティにも力を入れており、ありがちなポーチではなく、ネクタイ、下着、ブックカバーなど、様々なグッズを提供している。

  
【BOTCHANに旅をさせる】

「BOTCHAN」の由来は夏目漱石の「坊っちゃん」からである。
自分の個性と向き合っていく主人公に重ねて、自分探しのアイテムの1つになれば良いと名付けた。
「BOTCHAN」を擬人化させ、どんな出会いや仕掛けが「BOTCHAN」らしいか、という指標でブランド自身を成長させていく過程を大切にしている。たとえば販売される百貨店など小売店の選択や、取り扱われるメディアの表現、ギフトアイテム、ノベルティグッズの細部の作り込みや、プロモーションの場の選択(今年のバレンタインデーは全国から厳選した個性派銭湯10店舗とコラボレーションしている)など、ユニークな手法を維持しながらブランド認知の裾野を広げる活動を続けている。
また、「BOTCHAN」の商品企画で出会ったLGBTQ+のカップルから「血縁関係がないので、一緒のお墓に入れない。」という悩みを聞き、企業母体である墓石小売業で、血縁関係がなくても一緒に入れる、既成概念を覆す「ペア墓」を誕生させた。
昨年には東京レインボープライドにもブースを出展し、注目を集めた。
『企業活動を通して“自分らしさ”、そしてLGBTQ+を抱える人たちを応援・支援していく。
差別、偏見のない社会を理解していくためには、交わる場を作ることが大切でそのような機会がないと接し方が分からない。
“普通”の概念を問い続け、カミングアウトすることを必ずしも必要としない、多様性ある社会が願いである』と思いを語る福岡氏。
これからの「BOTCHAN」の出会いに目が離せない。







福岡 英一/Eiichi Fukuoka
STUBBINS合同会社 CEO
フランスのLVMHグループにて、ラグジュアリー系コスメティックブランドで化粧品・香水事業に長く携わり、ケンゾーやジバンシイなどの外資系ブランドの日本立ち上げなど歴任。
その後、化粧品部門の日本支社の代表取締役に就任。百貨店に数十店舗展開する組織を率いる。
2017年4月より、STUBBINS合同会社を設立し、美容業界のマーケティング ノウハウをもとに、化粧品及び美容に関するブランディング コンサルティング業務など行っている。
現在、BOTCHANのブランディング ディレクターも兼任。

text by Nemo