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経営にも環境にも優しいCO2削減

2020/01/06 12:00

 10トンもの荷物を運ぶ大型エレベーターや総ガラス張りのデザイン性に富んだエレベーター。様々な顧客ニーズに応えるオーダーメイドの昇降機メーカー、ダイコー株式会社(東京都港区)。太陽光発電やバイオマス発電をはじめ環境対策にも積極的に取り組む同社。直近では、生ごみ処理の際に排出される膨大な量のCO2を削減する取り組みを始め業績を伸ばしている。金融機関も注目する、CO2削減方法について専務取締役の兒玉氏に話を聞いた。

 弊社では、生ごみ処理の際に排出される膨大な量のCO2を削減していく取組みを始めました。通常、生ごみを処理するには運搬車両で運び、処理場で焼却します。その際、生ごみ1トンを処理するために約2トンのCO2が排出されるといわれています。如何にこのCO2を削減していけるか。ここに注目しました。
 まずは生ごみ自体の排出量を減らす、つまり昨今叫ばれているフードロスを減らしていくことも重要です。日本では年間600万トンの食べ物が捨てられていると推測されています(世界全体の食糧援助量の2倍)。600万トンを処理するのに排出されるCO2は約1200万トン。とんでもない量の温室効果ガスを作りだします。無駄な廃棄を減らす、身近なことに置き換えると「食べ残さない」ということがCO2削減につながることがご理解頂けると思います。#食べ残さない。明日から実践出来そうなSDGsです。
 しかし我々は食品会社ではないので、フードロス問題に直接切り込むことは出来ません。弊社は、機械を得意とするエンジニアリング企業ですので、大量に生ごみが排出されるであろう食品加工業者や大型の食堂を有する施設などに対し、生ごみ処理機を導入してもらうことでCO2削減に貢献することにしました。
 弊社の取り扱う生ごみ処理機を使うと、生ごみをバクテリア分解することで、水と炭酸ガスに分解することが出来ます。つまり生ごみを機械に投入し自動運転させておくと、生ごみが分解され、排水として流れていき、24時間後には生ごみは無くなっている、という状態になります。生ごみ1トンあたりの処理に対しCO2が(通常の処理方法では2トンのところ)約0.16トンにまで抑えられるため約92%のCO2削減が可能となります。先日生ごみ処理機を導入いただいた食品加工工場は、1日1トン、年間360トン近くの廃棄がありましたので、年間660トン近くのCO2が削減できたことになります。
生ごみ処理機

 また、あまり知られていませんが国が認証している「J-クレジット」という制度があります。これにより「CO2を削減した」という事実をクレジットとして売買することが可能となり、CO2削減するということが大きな価値を持ち始めました。低炭素社会実行計画の目標を達成をしたい企業、省エネ・温暖法の報告が必要な企業、RE100を達成したい企業(つまりCO2を削減したことにしたい企業)がCO2を削減した企業からJ-クレジットを買うことできます。現状、需給バランス的には買い手のほうが増えてきているため、1トンあたり900円程度だったCO2排出枠の価格が今では1500~1800円台近くまで高騰しています(平成31年4月入札参考)。
 上記の1日1トン廃棄を出していた食品加工工場を例に出すと、生ごみ処理機を導入することで、660トンのCO2を削減でき、かつJ-クレジットを利用し売却することで、CO2を削減したという事実が100万円以上の価値になったということになります。
 生ごみ処理機を通じて、産廃コストも大幅に削減し、CO2も削減、引いてはJ-クレジットの活用で副収入も得られる可能性がある。CSRの観点からも経営的視点からも、お客様には非常にお喜び頂いている事業となっています。

 先日、環境省から発表があった通り日本国内で排出された年間の温室効果ガスは12億4400万トン。前年に比べ4700万トン削減され、算出が始まった1990年以降最も少なくなっていると言われています。2015年のパリ協定で可決された、2030年までに温室効果ガス排出量を26%削減(2013年比)するという目標にはまだまだ足りていませんが、再生可能エネルギーの普及や火力発電の割合が減ったことで着実に良い方向へ進んでいます。

 当社では経営理念の他に、「環境に配慮し人と自然の共生を図る」という環境方針を掲げ、社員の環境に対する意識を高めています。弊社が出来ることなんて小さな1歩にすぎないかもしれません。しかし国民一人ひとりが出来ることを少しづつでも実践していくことが必ずや未来を生きる子供たちの生活に繋がります。まずは2030年のSDGsの達成に向けて共に歩みを進めていきましょう。

KODAMA


兒玉 康智/Kodama Yasutomo
ダイコー株式会社 専務取締役(JCI東京) 
東京都港区に本社を構える 特殊エレベーターやカーリフトを扱う昇降機メーカー。全国の支店営業所を中心に北海道から沖縄まで数千台に及ぶ昇降機の設計、施工、販売、メンテナンスを行っている。環境関連事業も積極的に取り入れ、SDGsビジネスについての講演も行っている。
http://www.daiko-s.co.jp/

text by JCブランド確立会議