• HOME
  • 杜の都を彩る花火が見えるとき|宮城県

Ilya D. Gridnev / shutterstock

杜の都を彩る花火が見えるとき|宮城県

2018/08/15 13:00

吉本興業が2011年にスタートした全国47都道府県「あなたの街に住みますプロジェクト」。ここでは、お笑い芸人たちがJCの事業の神髄を探り、それを明日の地域おこしにつなげようとする。

この7月の休日。買い物客が行き交う仙台駅前のアーケード街で、募金を呼びかけていたのは仙台JCのメンバーたちである。翌週にはLOMの看板事業「第49回 仙台七夕花火祭」を控えていた。

─資金繰りは厳しいですか。熱海秀宗理事長にそう問うと、「それに加えて大変なのは、回を重ねるごとに複雑化していく警備計画ですよ」と言う。意外な答えである。いったいどういうことか。

この花火祭の最大の特徴は、1万6000発もの花火がまちの中心部で打ち上がることにある。だが、それゆえに花火の見栄えは、毎年大きく変わる。近年、打ち上げ場所の西公園周辺は開発が進み、新しく建てられた商業施設やマンションが次々と視界を遮ってしまうからだ。すると50万人の観覧者は、言わばそれに合わせて新たなベストポジションを探そうとする。運営側はその動きをあらかじめ分析しなければ、とても警備エリアは設定できない。例えば2016年度は例年大混雑する場所に地下鉄の出入り口ができたため、委員会は未知の人の流れを予測し、シミュレーションを重ね、無事故記録を更新することができたのだ。

「舞台裏を知り、まちの見え方が変わった」。宮城県住みます芸人、爆笑コメディアンズの秀作は、前述の募金活動を初めて見たとき、ショックを受けたという。花火の運営費はすべて行政が出すものだと思っていたからだ。秀作はこう語る。
「花火祭は、志ある人がいるからこそ成り立っていることに気付かされました。そう考えると、募金って言わばお金ではなく、共感者を集めることなのですね」

熱海理事長は微笑んだ。

「花火を見た人が、このまちをより良くしたいと思ってほしいのです」

熱海 秀宗◎1979年宮城県生まれ。2002年東北学院大学卒業。同年明生商会入社、06年代表取締役。07年仙台JC入会、16年日本JC地域連携委員会委員長などを経て、18年仙台JC理事長に就任。スローガンは「IMAGINATION〜思いやり溢れる仙台(まち)の創造〜」。

爆笑コメディアンズ◎ツッコミ担当「半澤弘貴」(写真左、1983年宮城県生まれとボケ担当 「秀作」(同右、80年神奈川県生まれ)のコンビ。2004年結成、13年宮城県住みます芸人に就任。仙台放送「いべなび」のほか、YBC山形放送やNHK-FMなどに出演中、レギュラー11本。

Text by Hideyuki Kitajima|Photographs by Ryo Higuchi