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150年前の友情をいまに|福井県

2018/10/15 13:00

吉本興業が2011年にスタートした全国47都道府県「あなたの街に住みますプロジェクト」。ここでは、お笑い芸人たちがJCの事業の神髄を探り、それを明日の地域おこしにつなげようとする。

「加藤有司理事長と会ったら日下部太郎の話を聞いてもいいですか」

福井JCの事務局が入るビルのラウンジで、福井県住みます芸人の「飯めしあがれこにお」は開口一番、そう切り出した。「昨日、中学校の特別授業で夢は何かと聞いたら、ひとりの生徒が日下部を世に広めることだと言いまして。福井JCの作文コンクールがきっかけで知り、福井を誇れるようになったらしいのです」。

対談の席に現れた加藤理事長に話すと「実は、日下部は福井JCが発掘した日米友好関係の礎」だと言う。

日下部は、幕末に福井藩初の海外留学生として米国に渡り、ニュージャージー州のラトガース大学で学んだ人物である。藩の期待を一身に背負い、寝食を忘れて学問に励んだものの卒業直前に結核を患い、歳の若さで客死した。日下部の先生であり友人だったウィリアム・グリフィスは、そんな彼のことが忘れられず福井行きを決断。その志を胸に日下部の母校で理化学を教え、文明開化の先導を青年たちに施したのだ。

加藤理事長は言う。「近年までこの事実は、地域はおろか、歴史学上でも詳しく知られていませんでした。1974年に郷土史を研究していたOBが史料を発見し、それを聞いた当時の理事長らは顕彰事業に乗り出すことを決意。翌年に同大を訪問し、足跡を示す史料を発掘したのです」。

かくして交流が再開。その精神を青少年育成に役立てることを目的に作文コンテストが実施され、優秀者は米国の地で日下部太郎の足跡をたどり、新たな友情を育んでいる。さらには両国の自治体をも巻き込み、姉妹都市交流に発展している。

こにおは、こうつぶやいた。「なるほど、夢をかなえるために努力し続ける行動こそが、人を動かし、世の中を変えるきっかけになるのですね」。


加藤 有司◎1979年福井県生まれ。2002年愛知大学卒業。05年Berkeley College卒業。10年大日メタックス入社、15年専務。12年福井JC入会、13-14年JCIAPDC開発担当役員、18年理事長就任。スローガンは「We will change before we have to. 〜自ら動き、ふくいを変える〜」。

飯めしあがれ こにお◎1989年福井県おおい町生まれ。2009年NSC大阪校卒業(31期生)。15年福井県住みます芸人に就任。とにかくご飯が大好き。坂井チャンネル「坂井さんちのこっしぇるじぇ」、ケーブルテレビ若狭小浜「ワイドわかさ」、EVEMON TKF!!!(ライブ、大阪)などに出演中。

Text by Hideyuki Kitajima|Photographs by Ryo Higuchi