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誰一人食べ残さない茶会Vol.3

2019/11/14 17:00

不名誉なことだが日本は残飯廃棄量が世界一である。
なんと年間2,000万tの食べ残しを捨てており、これは実に1秒間に8,600個のおにぎりを捨てているということに等しいという。
人口が2倍のアメリカよりも多い量となっており、SDGsの観点からみても「ゴール2飢餓をゼロに」やゴール14、15にも関わってくる、日本が真剣に取り組むべき課題である。
そもそも人が食べ残さない価値の提供も必要なのではないか。
我々は誰も食べ残すことのない多くの人間に共感されるスイーツを特集することで、
食料廃棄の出ないヒット商品とは何かを多くの人に共有していきたいと考えた。
そして「誰一人取り残さない社会」の実現のために「誰一人食べ残さない茶会」を開会することを決めたのである。

「“復刻”・・・嗚呼、なんて甘い響き」

この世界には惜しまれつつも、第一線から退いていくモノがある。
またその逆に、多くの人の希望に応えて、最前線に戻ってくるモノもある。

時間はちょうどお昼前。ランチをどうするか・・・食欲と理性の狭間で悩み、京都の三条通をおもむろに歩いていると、
ひと際目立った近代建築が目の前に現れた。京都文化博物館である。
東京駅を設計した建築士である辰野金吾の設計のもと、京都の歴史と文化を発信し続ける。
その中庭に老舗喫茶店の前田珈琲がある。
そこは、まるで時間が止まったように、緩やかで贅沢なひと時を提供してくれる。
気付けば私は、柔らかいソファーに座ってカレーを注文していた。
“喫茶店のカレーはうまい”という自己流の定説に理性は失われたのである。
提供されたカレーを一瞬のうちに完食。ふとケーキの置かれているショーケースに目が留まった。丸い球体。
いや・・・気球のような形のスイーツ。「復刻バルーン」と書かれている。

“復刻”この耽美な響きに私は何か縁を感じた。(正確に言えば、別腹が作動した。)
またも無意識にこのバルーンを注文すると、すぐにウェイターさんが持ってきてくれた。
なんとまぁ、初めて見る形のスイーツである。クレープが球体に丸められ、その球体をタルトが支えている。
冷静に断面の写真を撮ろうとナイフで慎重に切ってみるが、クレープには蜜がコーティングされており、なかなか思うように切れなかった。ここで食欲に負ける私。思い切りナイフを差し込み「写真なんかどうでもええわ!」と、口にバルーンのかけらをほおばる。
旨い・・・!!中身はスポンジケーキとクリームに包まれたフルーツであった。
甘すぎず、非常にマイルド。スポンジケーキの球体を支えるタルトを食べてみる。サクサク・・・味わいが変わり、非常に香りが豊かになった。

あっという間に完食した私。
「復刻されるということは、人々の愛に包まれているのだなぁ。」と呟きながら、店を後にした。
“復刻スイーツ”人々に愛された証明である街の宝物。
皆様の街にもきっとあるであろう、復刻スイーツを探してみてはどうだろうか。