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「美祢ランタンナイト フェスティバル」の様子

幻のランタンナイトで芸人が見た「勇気ある撤退」|山口県

2018/12/15 13:00

吉本興業が2011年にスタートした全国47都道府県「あなたの街に住みますプロジェクト」。ここでは、お笑い芸人たちがJCの事業の神髄を探り、それを明日の地域おこしにつなげようとする。

山口県の中央部にある美祢市で毎年行われる「美祢ランタンナイトフェスティバル」を楽しみにしていた市民万人と県外観光客万人にとって、主催者の美祢JCが前日の9月28日になって突然、開催を中止すると発表した一件は寝耳に水だった。「台風接近のため」とはいえ、その日は晴天の夏日。告知には「雨天決行」とある。しかも、年前は豪雨の中で実施し、終盤で急にやんで感動的な「ランタン打ち上げ」のフィナーレを演出しているのだ。

美祢JCの青木香雄理事長は、こう振り返る。「最悪の場合、大型の台風24号は、速度を上げて九州に上陸し、一気に山口県を直撃する恐れがありました。多くの市民が楽しみにし、また我々も多大な労力と時間、コストをかけている。当日の朝まで様子を見ることもできましたが、早いほどダメージが小さくなると考え、恐れずに撤退を決断しました」。

ランタンナイトは、台湾最大級のイベント「ランタン祭り」を同市でも開き、交流人口を増やしていく試みである。毎年現地から大量のランタンが寄贈される。山口県住みます芸人のどさけんによると、今年の新メニューである川の上に吊るした600個ののランタンは、すでに地域で話題になっていたという。にもかかわらず青木理事長はLOMのメンバーらに、こうひと言告げるだけだった。「事業は中止です」。

すると、彼らは少しも躊躇することなく撤去作業を始めたという。どさけんは、その様子を知り、そしてこう思った。

「天候は予想以上に早く荒れた。もし当日の朝になって中止を決めたら撤去は間に合わず、来場予定者の避難誘導も遅れた。そんな勇気ある撤退は夜空を舞うあのランタンのように人々の心に刻まれているに違いない」


青木 香雄◎1979年山口県生まれ、2002年龍谷大学卒業、09年浄土真宗本願寺派西教寺の住職に就任。2012年美祢JC入会、14年指導力開発委員会委員長、15年専務理事などを経て、18年理事長に就任。スローガンは「歩み」勇気を持って踏み出す一歩」。

どさけん◎1975年埼玉県生まれ。2007年東京NSC入所。12年に山口県住みます芸人に就任。下関ふくふく健康大使。テレビ山口「週末ちぐまや家族」、山口ケーブルビジョン「にんげんのGO!風景印220景」、カモンFM「ゴジラジ!」「どさけんのボクの話を聞いてくれ」などに出演中。

Text by Hideyuki Kitajima|Photographs by Ryo Higuchi