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次に世界を作るのは僕たちだ!-国境を越えたリーダーシップ育成事業―

2019/10/16 15:00

外を歩くだけで汗ばむ猛暑の2019年8月9日、青空の広がる姫路城を背景に、中華人民共和国マカオ特別行政区から訪れた21名の中学生と地元・姫路の中学生56名、合計78名が集まった。公益社団法人姫路青年会議所と濠江青年商會(マカオJC)とが協働し企画した「Leader101(リーダーワンオーワン)」の参加メンバーである。大変な暑さに感嘆するもの、見知らぬ学生たちと共に過ごす時間に戸惑うもの、不慣れな英語で何とかコミュニケーションを図ろうとするものと、様々な面持ちが並んでいた。
 


マカオといえば、カジノで有名な一方で数多くの世界遺産が多く存在し、日本からも男女を問わず数多くの人々が訪れる世界的な観光地だ。そんなまちから来た中学生たちと地元・姫路の中学生たちに学びと交流を図る機会を作り、文化・歴史などの伝統を継承することの大事さに触れてもらい、地域や国を問わないSDGsの課題をそれぞれの視点から解決策を考え、同世代の仲間達と意見を交わし、リーダーシップを磨くとともに国境を越えた「友」を作って欲しいとの考えのもと、Leader101は実施された。大変欲張りな企画である。



 

 3日間に亘るこのプログラムは、世界文化遺産姫路城の保全見学や茶道体験、神社への参拝など日本の伝統文化に触れる1日目、身近な環境に起こる可能性のある事例を用いて災害時にどのようなことが起こり得るのかを疑似体験しその対応策を考える2日目、SDGsで提唱されている課題を基に、ミドルティーンの彼らが国境を越えて地球全体で取ることのできる対応策をグループごとにプレゼンテーションする3日目と続いてゆく。ともに取り組む課題を通して、チームメイトとの連帯感も深まり、次第に参加者の笑顔が窺えるようになった。最終日には彼ら自身の体験や知識、インターネット上に流れる情報、携帯端末の翻訳機能を駆使してアイディアを出していく。日本の学生はプレゼンテーションに不慣れだと指摘されるが、チームの全員が発表に参加する事がルールだ。しかも英語である。育ってきた社会的背景の違い、言葉の違いも含め、中学生にとってはかなりハードルが高いタスクであったに違いない。しかしながらプレゼンテーションに挑む彼らの表情は実に晴れやかであった。修了式の後には、参加者それぞれの修了証書にチームメイトのメッセージを求め、ともに記念撮影をする姿で溢れた。



 公益社団法人姫路青年会議所の前川絹雄理事長は本事業を通して、参加者である中学生たちが「将来、世界に打って出る人財になって欲しい」と語る。マカオの生徒にとっては日本の文化への知見を深めることもさることながら、双方の生徒にとって世界へのゲートウェイ体験の一つとなったことだろう。事業名称である「Leader101」とは、アメリカの「入門編」「初級編」の慣用句である101を用いて、リーダーシップ初級編との意味である。今回の経験をもとに次世代のリーダーたるティーンネイジャーたちが国境を越え、遠い将来、自身のアイデンティティを大切にしながらも世界を渡り歩き活躍する日が来ることを願ってやまない。

Text by 東海有紀