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持続可能なヘルスケア講座 vol.8「腸内フローラ」

2019/12/02 15:00

近年、「腸内フローラ」という言葉を耳にする機会が増えてきました。「腸内フローラを改善する」とうたった商品も続々と登場し、その言葉自体は定着しつつあります。しかし、「腸内フローラとは具体的にどんなものなのか」を、説明できる人は意外に少ないかもしれません。

腸内には数百種類、数百兆個という数の細菌が生息しています。その様子がまるでお花畑のようであることから、お花畑を表す「flora(フローラ)」という言葉を使い、「腸内フローラ」と呼ばれるようになったのです。これらのヒトの腸内に常在する細菌をすべて合わせると、その重さはなんと1~2kgになるとも言われています。

たとえば、皆さんがよく知っているビフィズス菌も、腸内フローラのなかに存在する細菌のひとつ。ビフィズス菌・酪酸産生菌などの有益な腸内細菌は、糖類や食物繊維などを選り分け、「単糖類」と「短鎖脂肪酸」に分解し、栄養素の合成や吸収などに貢献する「発酵」を行います。このように、腸内の細菌の多くは、ヒトの体が消化できない食物を分解し、短鎖脂肪酸などの重要な物質を生産します。そして、それらの物質が、免疫系を調整して有害な細菌から体を守ったり、血糖値の調整を行います。

ところが、菌種・菌株によっては逆にタンパク質などを分解し、ヒトの体にとって有害な硫化水素やアンモニアを発生させる「腐敗」を行います。このように、腸内フローラのなかには、大きく分けると、ヒトの体に役立つ「有用菌」と、害を与える「有害菌」の両方が存在しているのです。有害菌が増えると、便秘や軟便などお腹の調子を悪くしたり、肌荒れなどの症状が出てしまいます。


食べ物の力で腸内フローラを改善しよう

「腸内フローラを改善する」とは、つまり、有用菌を活性化させて有害菌を減らしていく、ということ。さらに、有用菌は、悪い菌の定着・増殖を防いで、おなかの不調を改善する働きも持ちます。そこで大切になるのが、有用菌を増やしながら腸内のバランスを整えていくということ。

効果的なのは、有用な菌の代表でもある乳酸菌・ビフィズス菌を、ヨーグルトなどの食べ物から摂取することです。または、酪酸産生菌を活性化させるために、海藻やきのこ、キャベツなどを食べて菌のエサとなる食物繊維を摂るのもいいでしょう。9月号でご紹介した、私たちが研究しているユーグレナも、食品として食べることで腸内の有用菌の活性を高める機能があることがわかってきています。



鈴木健吾◎株式会社ユーグレナ執行役員 研究開発担当。2006年、東京大学大学院修了。東京大学在籍時からミドリムシの研究を行い、05年に世界初の屋外食用. 大量培養に成功。同年、代表取締役社長の出雲充氏、取締役マーケティング部長の福本拓元氏と共に同社を設立した。

株式会社ユーグレナ◎ミドリムシの屋外大量培養技術をもとに、食料問題、環境問題の新たな解決法の創出に挑戦しながら、多角的な事業展開に取り組んでいる。具体的には、健康食品や化粧品の開発・販売のほか、バイオ燃料の生産に向けた研究などを展開。