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「アダルトビデオを教科書にするのは絶望的な勘違い!」ジェンダー平等に向けたファーストステップとは

2019/10/22 15:00

特別対談 【UN Women日本事務所長 石川雅恵×公益社団法人日本青年会議所副会頭 石川和孝】 

女性と女児のグローバルな支援者として、世界全域で女性と女児のニーズに応じた変化をさらに加速させるために設立されたUN Women(国連女性機関)日本事務所長・石川雅恵(いしかわ・かえ)氏と、外務省との「SDGs推進におけるタイアップ宣言」と、「SDGs推進宣言」の下でSDGsを協力に推進する日本JC副会頭・石川和孝(いしかわ・かずたか)氏に、ジェンダー平等を議論するための大切なファーストステップについて語り合ってもらった。

 

――  ジェンダー平等に意識をもっていただくための効果的なアクションは?

 

石川(雅):まず、スタートラインに立つのが大事なこと。スタートラインに立った後は色々な方法があります。例えば、多少費用はかかりますが、UN問題のプロジェクトに実際に参加してもらうこと、その現場での女性の活躍を実際に見てもらうことが効果的かなと思います。そのような機会をJCIで企画していただくことも良いと思いますね。アジアとかで企画してもらって、そこに日本から参加していただくとか。

世界でどんなことが問題になるのかを勉強する機会は少ないと思うし、世界で起こっていることでも、日本では起こっていないことがあります。その根底には不平等や差別があるということを実際に見て感じてもらうことが大切だと思います。

UN Womenのプロジェクトに参加するためだけではなく、例えば、JCの会議があるときにUN Womenのプロジェクトをリンクさせるとか、参加の動機付けは複数用意した方が良いですね。


 

石川(和):UN Womenとしても、SDGsの中で最重要になってくるのは、SDGsゴール5になるのでしょうか。

 

石川(雅):私は、SDGsを理解する場合、17の目標を切り分けて理解することは危険だと思っています。ただ一つ言えることは、ゴール5を達成しなければ、他のゴールは絶対達成できないという関係があります。健康、環境、水、労働、SDGsの設定するゴールを達成するためには、女性の視点、女性がどう影響するかを考えないと全体像、全体の解決策が見えないと思います。

 

 

―― 日本の一般の方にジェンダー平等を浸透させる壁は高いように感じる。その理由は?

 

石川(雅):ジェンダー平等、という言葉で連想するイメージが原因かなと思います。例えば、歴史の中で「女性に参政権を」とか「フェミニスト」とか、怒り狂う女性の姿のビジュアルのイメージがあるのかなと。人間には怒っている人には近づこうというインセンティブがないですよね。怒りのパワーは大事なんだけど、「そうだよね」と同調してもらうことが必要。エマワトソンさんも、「男性も話に入らないと意味ないよ」、「男性も一緒に声をあげましょうよ」ということを言っていて、その言葉にはポジティブなイメージが込められていて、転換期というか画期的なことだと思います。

ジェンダー平等を呼びかけるメッセージは割とポジティブなものなんです。「男性たちだけが集まっているということが良くない!」という女性の怒りのエネルギーではなくて、男性に「冷静に僕たちも何かやらないとまずいよね」と考えさせることが、ジェンダー平等に同調、参加するきっかけになるのかなと思っています。男性にとっても、これをすることでお互いに良いことがあるよね、と感じさせるメッセージが大事。

 

石川(和):ジェンダー平等への取り組みは日本でも少しずつ進んでいて、企業の代表から社員に啓発してもらったり、一定の理解を得られる入り口が出来つつあると思います。一方で、そこから議論を一歩進める具体的なワンアクションが思いついてない印象があります。何か良い事例はありませんか?

 

石田(雅):まさにUN Womenで作成しているアクションキットというものがあります。あなたが個人だったら、学生だったらこんなことができますよ、という内容のものです。日本語版も完成していますよ。オンラインはまだですけど、いずれはリリースします。

例えば、本当にささいな所からなんだけど、例えば経済的に余裕のない学生なら、興味のある学生を集めて女性のエンパワーメント、ジェンダーを主題にした映画の上映会をして、互いの意見を交換する機会を作るとか。ハードとソフトの両面が必要なんです。ハードは制度を作る事。産休制度、育休制度をつくるとかですね。でも、ソフト面が一番難しいけど一番大事。一緒に映画をみて感想をいうとか、本を読んで感想を言い合うとか、具体的に地域の女性用のシェルターに行って話を聞きにいくとか。

 アクションキットが完璧な教科書というわけではないけれど、いくつかのアイディアを提供することができると思います。もっと具体的に何ができるか、というケースを増やしていかなければいけないと思います。

Text by 高島章光