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Paisit Teeraphatsakool / Shutterstock

持続可能なヘルスケア講座 vol.7「ミドリムシの健康効果」

2019/10/16 13:00

皆さんは「ミドリムシ」をご存じでしょうか。最近ではミドリムシを含んだサプリメントや飲料が増えているので、これらの商品を手に取ったことがある人もいらっしゃるかもしれません。学名を「ユーグレナ」といい、近年、その驚くべき健康効果に注目が集まっています。

名前に「ムシ」という言葉が含まれているものの、虫ではなくワカメやコンブと同じ「藻」の一種。体長はわずか0.05mmほどで顕微鏡でなければその姿をはっきり見ることのできない小さな微生物です。

植物、動物の性質をもつことから、植物に含まれるビタミンCや葉酸、動物に含まれるDHA、EPA、ビタミンB1など豊富な栄養素を備えていて、その総数はなんと59種類にものぼります。

なかでも重要なのがパラミロンという特有成分。パラミロンは私たちの体内で消化吸収はされず、食物繊維のようにはたらくと考えられています。

ユーグレナの摂取により、高血圧症状の抑制、スギ花粉症症状の緩和、関節リウマチ症状の緩和など、様々な効果があることが研究からわかっています。今回はそのなかから、働き盛りの皆さんに耳寄りな、ユーグレナの3つの可能性をご紹介します。

TOPIC.1 肝臓保護とプリン体の吸収抑制

肝臓は、「化学工場」にもたとえられる重要な臓器で、エネルギーを作り出し、有害な物質を解毒するなどの重要な仕事をしています。肝臓は免疫システムや体内酵素などで活性酸素から自身を防御していますが、加齢、過飲酒、ストレスなどで機能が弱ってくると、この防御機能も低下してしまいます。

肝障害を起こしたラットにパラミロン粉末を含むエサを摂取させる実験では、摂取するパラミロンの濃度が高くなるほど、肝臓の損傷の指標となる血中AST、ALTの濃度が下がりました。

つまり、パラミロンを摂取すると、有害物質による肝臓へのダメージが減少する可能性があるのです。さらにパラミロンには、痛風の原因となることで有名なプリン体の吸収を抑制する可能性があることも明らかになりました。

<Chart.1>
肝臓へのダメージを示唆するグラフ/ユーグレナヘルスケアラボより引用
(https://www.euglab.jp/euglena/report/detail/000061.html)

TOPIC.2 中性脂肪とコレステロール値を抑制

脂質の獲りすぎは体脂肪や体重増加の原因のひとつであり、健康リスクを高めます。近年、日本人は脂質を摂り過ぎていることが報告されました。

ユーグレナに含まれるパラミロンは、機能性についての研究が進み、食品での活用が期待されています。コレステロール値が気になる30〜50代の男女をモニターとして継続的にユーグレナを摂取する実験を行ったところ、血中脂質(総コレステロール、中性脂肪、LDLコレステロール)の値が改善される結果が出ました。

ユーグレナには、中性脂肪とコレステロール値を抑制する傾向があるのです。
<Chart.2>
ユーグレナヘルスケアラボより引用
(https://www.euglab.jp/euglena/report/detail/000034.html)

TOPIC.3 アドレナリンの抑制でストレス緩和

強度の高い運動を行うとアドレナリンの分泌量が増加し、分泌が過剰になると身体へのストレスの原因にもなってしまいます。

実験では、マウスを①安静群(通常食を与え、運動をさせない群)、②運動群(通常食を与え、強度の高い運動をさせた群)、③運動+パラミロン群(パラミロンを入れたエサを与え、強度の高い運動をさせた群)の3つに分け、2週間の経口摂取と強度の強い運動の実施を行い、それぞれの血中のアドレナリン値を測定。

その結果、③運動+パラミロン群は、②運動群よりも血中のアドレナリン値が有意に抑制されることを確認しました。

つまり、パラミロンは、強度の高い運動による血中でのアドレナリンの分泌を抑制し、運動によって交感神経が優位となる状況を緩和する可能性があるのです。この研究が進み、ストレスに対するパラミロンの有用性を立証することが期待されています。
<Chart.3>
2018年11月13日ユーグレナ社ニュースリリースより引用
(https://www.euglena.jp/news/20181113-2/)

ユーグレナ入りクッキーをバングラデシュの子供たちに

ユーグレナ社では、豊富な栄養素をもつユーグレナ入りクッキーをバングラデシュ人民共和国の子供たちに無償で配布する「ユーグレナGENKIプログラム」を2014年に開始しました。現在、このプログラムを通じて、SDGs「GOAL1:貧困をなくそう」と「GOAL2:飢餓をゼロに」に取り組んでいます。

バングラデシュの5歳以下の子供の半分が貧血状態にあり、また、ビタミンA、B12、鉄分、亜鉛等が不足しがち。さらに、5歳以下の子どもの36%、約550万人が発育不全状態に陥っています。

ユーグレナ社が現地で配布している1食分のユーグレナクッキーは6枚。この1食で、バングラデシュの子供たちに特に不足している栄養素1日分を補います。19年3月末時点で58校、約1万人の子どもたちに平均週5日ユーグレナ入りクッキーを配布し、配布数は累計700万食を突破しています。

このプロジェクトの運営元は、ユーグレナ社のプログラム対象商品の売り上げの一部。メンバーの皆さんも、商品を購入することでこのプロジェクトに参加し、SDGsを推進してみませんか。


「ユーグレナGENKIプログラム」 https://www.euglena.jp/genki/


鈴木 健吾◎株式会社ユーグレナ執行役員 研究開発担当。2006年、東京大学大学院修了。東京大学在籍時からミドリムシの研究を行い、05年に世界初の屋外食用. 大量培養に成功。同年、代表取締役社長の出雲充氏、取締役マーケティング部長の福本拓元氏と共に同社を設立した。

株式会社ユーグレナ◎ミドリムシの屋外大量培養技術をもとに、食料問題、環境問題の新たな解決法の創出に挑戦しながら、多角的な事業展開に取り組んでいる。具体的には、健康食品や化粧品の開発・販売のほか、バイオ燃料の生産に向けた研究などを展開。