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Nicoleta Ionescu / shutterstock.com

誰もが活躍できる社会に向けて

2019/12/14 15:00

我が国の人口動態は超少子高齢化による人口減少時代に突入しています。政府は、深刻な人手不足を補うため、新たな外国人労働者の受入れを2019年4月から開始しました。中小零細企業に対しては、生産性の向上や、事業承継を促進していくことで、労働力の減少をカバーする方針を打ち出しています。

しかしながら、それだけですべての人たちの生活が豊かになるわけではありません。振り返ると、高度経済成長期の日本社会は、一部の人や集団が社会をリードする時代でした。リーダーの旗手に従って多くの国民が物質的豊かさを求めた時代は終焉を迎えました。

令和の御代となった新たな時代は、多様性を重んじ、性別や障害の有無、経済的な事情など従来であればハンディキャップと捉えられてきた要素には左右されず、各人が自身の魅力や強みを活かし、同時に、弱みを相互に支え合う社会を目指していかなければなりません。

このような視点から、総活躍社会確立委員会では、社会的弱者として支援の対象とされてきた人に対し、地域や経済活動との接点を生み出すことや、地域コミュニティで取り残されてしまいがちな外国人を地域でケアする仕組みを構築し、社会的包摂(インクルーシヴ社会)に1㎜でも近づける取り組みをしています。

その際に最も重要なキーワードとなるのは「横串を刺す」ということ。行政や福祉団体、経済団体が単独で活動するのではなく、多様な力を持ち寄り、様々な観点から包括的に支え合うことが社会的包摂を目指すためには不可欠なのです。

この取り組みを通して改めて実感したのが、「課題には全国共通のものと、その地域特有のものがある」という事実です。引きこもりの人が多い地域、外国人住民が多く日本人の住民との関係性が良くない地域、児童養護施設卒業後に孤立してしまう人が多い地域など、国の政策だけではカバーできない地域課題は数多存在します。

こうした課題を解決するためにも持続可能な社会包摂の仕組みのモデルケースを創り上げ、様々な地域に水平展開していかねばなりません。また、日本のみならず世界で問題となっているジェンダー平等に対しても、総活躍社会確立委員会では、UN Women日本事務所と協力し、多くの人たちと日本における問題を考え、ジェンダー平等を実現していく取り組みを行っています。

女性の社会進出は昭和の御代から叫ばれていますが、「女性(男性)はこうあるべき」といった固定観念に苦しんでいる人たちは多いのではないでしょうか。まずは一人ひとりが「自分らしさ」を考えることが、ジェンダー問題を考える第一歩であると思います。

誰もが活躍できる社会に向けて

SDGsゴール5は、SDGsにおけるすべての課題にかかわる横断的な課題です。日本は、男女格差の度合いを示す「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数(2018年)」が先進7カ国(G7)で最下位となっていると同時に、日本の青年会議所の女性比率もわずか7%と世界から遅れをとっているのが現状です。

私たち日本青年会議所が、世界の中で日本におけるジェンダー平等に対する理解度と取り組みが遅れていることを認識するとともに、日本青年会議所の男女比率問題や企業としての担い手不足など直結するジェンダー問題を考えていく必要があります。

「HeForShe」運動を継続させていく

個人が今日からできるジェンダー平等実現に向けた意識変革の第一歩として、日本青年会議所では「HeForShe」運動を推進しています。

この運動は、女性のエンパワーメントのための国連機関であるUN Womenによるジェンダー平等に向けた連帯キャンペーンであり、世界中の様々な不平等を終わらせ、誰もが活躍できる社会への変革に貢献するものです。

2019年2月、JCI金沢会議において、SDGsゴール5をテーマに各国のリーダーたちと意見を交わす「SDGs Conference」が開催され、様々な取り組みが発表されるなか、鎌田会頭より「企業」「JC」「個人」の3つのターゲットに沿ったアクションプランが提示されました。

①企業としてできる取り組みとして「ITによって女性の働きやすい職場を作るとともに、女性がITの活用方法を学ぶ場を作ります。」(地域経済再興委員会)

②JCとしてできる取り組みとして「女性のリーダー教育の機会を作り、青年会議所の活動を改善して女性の会員を拡大します。」(JC拡大会議)

③個人としてできる取り組みとして「両性が共にジェンダーの問題解決に取り組めるよう“HeForShe“運動を推進します。」(総活躍社会確立委員会)

「UN Women-HeForShe-」2月/金沢会議にて
3月にはUN Women日本事務所の石川雅恵所長をお招きしたイベントを日本青年会議所会館で開催し、本活動の手応えを確認しました。

6月のASPACの「HeForShe」のワークショップには各国から100名近いメンバーが参加。日本からは萩谷樹莉君(ひたちなかJC)が日本の現状を報告しました。

「HeForShe」への賛同はゴール5の解決だけではなく、SDGs全体解決にも直結しています。現段階で「HeForShe」の日本の署名は9,000人。JCメンバー30,607名の署名は大きな社会的インパクトを与え、SDGs運動がより加速度的に広がるきっかけとなります。価値観を共有することにより、今まで以上に自分らしく誰もが活躍できる社会の確立を推進することができます。

Text by 石井隆昌