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次の世代に伝えたい自然の力 発酵人田上彩

2019/07/30 15:00

華やかな世界で美を競うモデルの世界。田上彩さんは18歳からモデル活動を始め、20歳にはミスユニバースファイナリストに選ばれた。モデルの世界では外面の美を追究することが最優先。身体の内部に気をつかうことは少なかった。

モデルの世界から離れ、東京でアパレルで勤務していた田上さんは、東日本大震災をきっかけに転機を迎える。震災後、当たり前のようにあった電気や水道などの生活インフラが関東でも大きなダメージを受けた。田上さんはそれまでの消費するだけの生活ではあまりにも脆弱だと気づいたのだ。

そこから「農業」や「発酵」といった、主に食や身体の内面に目を向けるようになる。
田上さんは言う「消費するだけじゃなく、自分で育むこと、育てていきたいという思いで畑をはじめようと思ったんです。」



それからの行動力には目を見張るものがあった。
いきつけになっていた藤沢市のほうとう店「へっころ谷」。ここは近隣の食材と天然発酵食品に力を入れている。田上さんはそこに通い詰めて畑を借りれることになり、いまでは畑での農家業や味噌造りワークショップ、六本木ヒルズでのGIRLS FARMERS MARKETなどに取り組んできた。

田上さんの活動は今も現在進行系で発展している。最近では、モデル時代の友人にも協力してもらって東京都内でも自然の魅力を感じられるプロジェクト「Eden」を開始した。



Edenでは廃棄されるはずだった果物を使ったオーガニックフードや発酵ドリンクを販売している。
食品だけではなく、オーガニックで生産されている種も販売している。"organic disco"という種のブランドは、田上さんの趣味のサーフィンを介して出会った同じ年の奈良の種苗メーカー大和農園の4代目女性社長にお願いしている。



今計画しているのは、子供たちへの教育だ。味噌造りのワークショップや、発酵の仕組みを子供たちにも分かりやすく伝えたいと考えている。
「都会にいると身近に感じることの少ない自然のパワーとか魅力を伝えていきたいと思ってたんです。たまたま千葉で保育園をやっている方とつながることができて、是非とも進めたいと言ってもらえたんです。」そう語る彼女の顔は子供ような笑顔だ。

協力してくれるのは流山市のもりのまちひなた保育園。子供たちにも分かりやすく伝えるため、友人の絵本作家に協力をしてもらうことも計画している。

田上さんの挑戦ははじまったばかりだ。パワフルな彼女から目が離せない。


田上彩/Aya Taue◎発酵人。湘南生まれ湘南育ち。モデル、ミスユニバースを経験。無農薬で野菜を作るうちに、発酵料理の虜になる。発酵料理とYOGAのリトリート企画や甘酒や味噌、梅干など醗酵料理のワークショップで昔ながらの手仕事を広める活動を行っている。太陽と海をこよなく愛する発酵伝道師。

Text by 日野哲志