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身近なところから考えるジェンダー平等への確かな道

2019/07/15 14:00


ポジティブなメッセージの力

森さんが「開発途上国の現状を語るときに、ネガティブなことを強調したくない」。そう語っていたのがとても印象的でした。

どうやったら社会をより良くできるのかを伝えるときに、劣っているから、とか、かわいそうだから、というネガティブな面を強調することはある意味容易です。しかし、ネガティブな面を強調するだけでは、その解決に向けて多くの人の共感を得る真のメッセージとはなり得ません。

アメリカで公民権運動を巻き起こしたキング牧師は「私には夢がある」と語りました。人種差別のネガティブな面を訴えるのではなく、ポジティブな変化を訴えたからこそ、多くの人が動いたのです。

「今よりもっとより良くなれる」というメッセージを社会的影響力のある方が発信することは、これまでまったく無関心だった方にも関心を持ってもらうきっかけとなります。JCで講演会を行ったりするのも、そんなメッセージを多くの人に伝えたいからなのです。そして、ポジティブなメッセージのもとに具体的な行動が起こり始めれば、それは社会運動に変わります。だからこそ、私たちの様々な事業にはポジティブなメッセージが必要です。人は希望があるからこそ、前に進めるのです。

私にもできることがある

森さんは「私には何ができるか考えてみようと思った」とも語ります。この問いは私たち一人ひとりがもつべき問いです。

例えばジェンダー平等の問題は文化的な問題であり、一個人に変えられる問題ではないように一見思えます。しかし、文化は一部の人によってつくられるものではなく、一人ひとりの考え方でつくられるものであり、私たち一人から変わっていくものです。

UN Womenの親善大使であるエマ・ワトソンも、「私じゃなかったら、誰が?今じゃなければ、いつ?」と問いかけています。自分には関係ないと耳をふさぎ、今ではないと目をそらしているならば、何も変わることはありません。あなたが耳を傾け、今の現実を直視することから、すべての問題は解決し始めるのです。

キラキラと輝く女性

女性の活躍を促進するために欠かせないのが、「輝き」を感じるということだと思います。ポジションや経歴ではなく、美しい見た目であったり、わかりやすいアイコンであったり、日常ではない環境であったりと、特別な魅力を感じる機会をつくることが必要です。「輝き」を感じることで、それまで目が向けられていなかったことに、多くの女性が目を向けるようになります。

森さんは農業に注目されていましたが、森さんの放つ「輝き」があるからこそ、普段農業に目を向けることがなかった若い女性に農業に目を向ける機会をつくることができます。男性には理解しにくい面もありますが、「輝き」を感じる機会をつくること、「輝き」をもつ女性会員を増やしていくことが、JCの運動の推進や会員拡大につながるのではないでしょうか。



森 星◎1992年東京都生まれ。ファッションモデル。現在、資生堂のANESSA、コカ・コーラ「AQUARIUS」のCMに出演し、モデルとして数々のファッション誌や広告などで活躍。2015年より「公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン」のBecause I am a Girlエンジェルに就任し国際NGO活動に参加。Instagramはフォロワーが140万人を突破し、モデルとしてだけではなく、様々な分野で活躍の場を広げている。

鎌田 長明◎1980年香川県生まれ。東京大学大学院経済学研究科修士課程卒業。株式会社情報基盤開発代表取締役、鎌長製衡株式会社代表取締役社長、株式会社ケー・イー・エス代表取締役。2012年に高松JCに入会し、16年同理事長を務める。17年日本JC総務グループ担当常任理事、17〜18年JCIAPDC議長、18年日本JC副会頭などを経て、19年会頭に就任。

Text by Shinohara Hiroshi | Photographs by Miki Masahiro | Hair by GOTO JUN | Make-up by Washizu Yuka