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人材不足を作り出しているのは経営者?個性を組織の強みに

2019/06/20 15:00

201958日、公益社団法人上越青年会議所(以下、上越JC)が「実践!上越ダイバーシティ入門講演会」を開催した。

上越JCでは、ダイバーシティ発想を取り入れて、様々な市民が生き生きと活躍する風通しの良いまちづくりを目指しており、本事業はその一環として行ったもの。地元企業の経営者や商工会議所の職員、男女共同参画推進事業に携わる女性などが参加し、約120名が講師の話に耳を傾けた。

ダイバーシティの必要性については様々な機会に耳にするが、地方都市に暮らしていると、まだまだ同質的な地域社会や企業組織で過ごすことが多く、国籍・人種・宗教・LGBTといった属性の多様性に実感が伴わない。この講演会では、外資系企業で豊富な人事経験を持つグローバル人材プロデューサー・鈴木美加子氏(株式会社AT Globe 代表取締役社長)を講師に迎え、様々な属性の仕事仲間との出来事や、自身がアメリカの田舎町で遭遇したアジア人女性としての体験などを紹介。具体的なエピソードが語られる導入から、組織の多様性と同質性が企業経営にどのような影響をもたらすのか、という核心へと進む。自分と他人がいかに違うのかを知る簡単なワークを経て、経営者が自分と似た人材ばかりを採用していた企業の事例が提示されると、会場から驚きの声があがった。

 

更に講演会では、上越JCのメンバーでもあり、多様な人材採用に成功している宮本吉裕君が登壇。創業して数年後に直面した「チームがまとまらない」「クレームの嵐」「社員が辞めていく」「雰囲気が悪く生産性が上がらない」という経営課題を解決する糸口となった女性の職人の採用について語った。経営課題を生み出していた自分の価値観を反転させた結果、女性の職人・トランスジェンダー・定年後の営業マン・建設現場の女性営業・転職ばかりの職人、といった個性的な人材が集まり、会社の強みとなったという力強い言葉に多くの経営者が頷いた。

 

人材不足という悩みを抱える企業が多い中、「これは男性の仕事」「中途採用は40歳まで」といった条件での採用は更に厳しさを増していくはずだ。旧態然とした慣例や固定的な条件から視点を解放してみたら新しい可能性が拓けるかもしれない。ダイバーシティマネジメントには、様々な個性を活かすという意味と、様々な人が活動しやすくなるという寛容性が含まれることを実感する講演会となった。

講演会終盤の質疑応答では「青年団体の内で女性会員を拡大するには何が必要か」という質問も飛び出した。鈴木講師は「女性だからということにこだわりすぎず、全員にとってメリットをきちんと提示することが必要」と説いた。企業にとっても、その他の団体にとっても、所属する誰もが活動しやすく、自分らしく輝くことができる場所であることが重要ということだ。

 

組織と所属するメンバーのWIN-WINの関係性をダイバーシティ発想によって構築していきたい。

Text by 平原 香織