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新時代の教育論、人を前向きにさせるある「想い」とは

2018/09/15 13:00

2012年に文部科学大臣に就き、国家戦略としての教育改革を主導した衆議院議員、下村博文氏。そして人材教育のコンサルタントとして、これまでに38万人の研修をしたアチーブメント代表取締役社長、青木仁志氏。そんな日本青年会議所(JC)OB二人に日本JC第67代会頭、池田祥護氏が訊く、人を育てる方法論とは。

池田祥護(以下、池田):下村博文先輩と青木仁志先輩は、それぞれ政界と財界の立場から教育再生をリードしてきました。まずは、おふたりのJCに入会したきっかけを教えてください。

下村博文(以下、下村):28歳のころ、学習塾経営の傍らでミニコミ誌を発行していたのですが、東京都を取材したとき、職員から東京JCの城北ブロックが主催する教育委員会の対談企画を教えられたのです。それまでJCのことを知らなかったので、早速担当者に会ってみると、まあすごい団体だなと思いました(笑)。

池田:賛同したのですか。

下村:率直に言って、そうあるべきだと感じました。そもそも教育委員会を取材する企画なんて聞いたこともなかったし、教育という取り組みを前向きに捉え、未来を自分たちで切り開いていこうという、まさに志をもった若い人たちの集まりというのは素晴らしいなと思いましたよ。国歌斉唱はともかくとして(笑)。

池田:青木先輩はいかがでしょうか。

青木仁志(以下、青木):私は34歳のときに入会しました。起業して間もないころで、経済的に苦しく必死に頑張っていたときだったのですが、友人から「仲間が増える」と誘われたのです。そうしたらすぐに本業の教育関係に携わることができ、下村さんと知り合った日本JCの教育部会では、オーストリアのウィーン大学やアメリカのハーバード大学を訪問し、議論を重ねました。そのとき行動を共にした仲間とは、今でも付き合っており、かけがえのない経験をしたと思っています。

池田:JC活動を振り返ってみて、どんなところに学びがありましたか。

下村:やはり人間関係ですよ。JCに入るまでは、みんなそれぞれがお山の大将だったり、わがままな2代目だったりするわけですが、そこでは立場や考え方が違う人たちが集まるので、議論していかないとひとつの方向にまとまらない。それも金儲けではなく、ボランティア活動でやる。トラブルはしょっちゅうありましたけど、それが学びとなり、また財産となりました。私が選挙に出馬するときも、JC関係の方々に支えられた。JCに入ったことで人間の幅と、新たな道が切り開かれたのです。

池田:なぜ政治家を目指したのですか。

下村:JCとは、志だと思うのです。それは夢とは違う。夢というのは自己実現することですが、志は自分という存在が地域のため、国のために、何をなし得るかということにビジョンをもち、それに向かって行動することです。そうすると、それはひとりではできないから、仲間を巻き込むことになる。その仲間が多ければ多いほど、世の中を動かしていけるような原動力になる。JCでそれに気付いたことが、政治家を目指すきっかけとなりました。

青木:私の場合は、本業がどん底のときにあって、JCで尊敬できる人に出会ったことが大きい。私と同じ起業家なのに、JCの役割をしっかりこなしながら本業を成長させている。そういう生き方を目の当たりにし、貴重な学びを得ました。ただ、現役時代を振り返って思うのは、時代は大きく変わったということです。

Text by Hideyuki Kitajima|Photographs by Masahiro Miki|Hair & Make-up by Masaki Yoshinaka