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地域の“誇り”を見つけた「かいぼり大作戦!」|山口県

2019/09/13 15:00

吉本興業が2011年にスタートした「あなたの街に住みますプロジェクト」。07年からは国連と連携し、SDGs×お笑いの力で地域を元気にしている。そんな芸人たちが、未来を笑顔であふれる世界にするためにしていること。

「お金も、人手も足りない。でもいつかはやらなければ、と思っていました」



山形市にある神社、鳥海月山両所宮の宮司が、境内にある弁天池を見ながらそう言ったのは、山形JCの手塚孝樹理事長が、事業の相談で訪れた3月のことだ。池は、古くは平安時代から領主の崇拝を受け、神池と呼ばれてきた。その後近年には地域の遊び場となり、夏になると子供たちの泳ぐ姿も見られたという。



だが、次第に維持管理が行き届かなくなると、池底にヘドロが堆積し、水は黒く濁った。そこにブラックバスといった外来種が、釣り用に勝手に持ち込まれ、繁殖し、フナなどの在来種の生態系を脅かす存在となっていたのだ。



そこでLOMが企画したのが「やまがたの池かいぼり大作戦」である。この5月、地域の子供たちに、そんな身近な環境問題を考えてもらおうと、池の水を全部抜く「かいぼり」を実施。大学教授が、捕獲した生き物の多様性や観察方法を解説。続いてヘドロの除去作業を行い、池底を一度空気にさらし、微生物による分解を促進することで水質改善を図った。かいぼりは、じつに60年ぶりのことだった。



その日、山形県住みます芸人のソラシド、水口靖一郎は、事業の様子をテレビのニュースで知った。そして山形に移住してわずか半年の彼は、こんなことを思った。



「現れた池の底には、ゴミがあまりなく、むしろ、とてもきれいだったのでびっくりしました。僕の地元大阪だったら投棄された自転車や家電が平気で出てくるのに(笑)」



するとその話を聞いた手塚理事長はうなずき、こう語った。「現れた池の底には、ゴミがあまりなく、むしろ、とても「あれから神社には人が集まってくるようになりました。あの日見た、意外にも清潔で美しかった池底は、市民の意識の高さの証明であり、彼らはそこに誇りを見いだした。だから惹きつけられるのです。そんな生態系を形成していく仕組みがわかっただけでも、かいぼり作戦は大成功ですよ」


ソラシド◎ボケ担当「本坊元児」(1978年愛媛県生まれ|写真左)とツッコミ担当「水口靖一郎」(76年大阪府生まれ|同右)のコンビ。2001年に結成し、今年で18年目。18年に山形県住みます芸人に就任。YBC山形放送「ピヨ卵ワイド」、おらんだラジオ「ひるらじ」などに出演中

Text by Hideyuki Kitajima