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子供を多く産み育てる「多子社会」を実現しよう

2019/05/24 15:00

「多子社会」とは日本青年会議所が本年度掲げた3つの提言のうちのひとつ「子供を増やすための社会ビジョン」の中で用いられた言葉である。

もはや看過できないこの問題のよりセンシティブな部分にまでメスを入れ、「すべての人々が、子供を産み育てたくなる社会」を目指そう。

現在の日本は、超少子高齢化社会といわれる状況に突入している。2055年には、05年との比較で生産年齢人口は半減、高齢者の比率は倍にまで跳ね上がるという。生産年齢人口とは社会を支える世代、つまりその半減というのは、国民一人当たりで支える高齢者の数も倍に増えることを意味する。そしてこのバランスを改善する具体的な解決策はいまだ見いだされずにいる。

なぜ、生産年齢人口が減少するのか。答えは明確である。出生数が年々減少しているからだ。16年の出生数は97.6万人、統計調査を始めて以来、初めて出生数が100万人を切り、17年にはさらに94.1万人にまで減っている。この2年で3万5000の減少である。最も出生数の多かった49年の269万人の3割にすぎなくなってしまっているのだ。これは、人口の多かった第2次ベビーブームの「団塊ジュニア」と呼ばれる世代が40代半ばになり、それに合わせて出産がピークアウトしてきたことが影響している。

第3次ベビーブームを経験できなかった日本は、最後の人口ボリュームゾーンである団塊ジュニア世代が安心して出産できる社会を、一刻も早く整備する必要に迫られているのだ。

さらに、出産率の前にもうひとつクリアしなければならない大きな課題がある。未婚という問題である。統計上の生涯未婚とは50歳まで一度も結婚をしたことがないことを指し、15年の国勢調査によると男性で23%、女性で14%が該当する。もちろん結婚は個人の自由であるが、結婚しない理由に社会として解消可能なことがあれば、その改善は出産率に向上にも反映するだろう。