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なぜ働き方改革が日本再興の起点となるのか

2019/05/11 15:00

我が国においてSDGsゴール8を実現する際に避けて通れないのが、目下、国レベルで推進されている「働き方改革」。今春には労働基準法が改正され、企業にとって待ったなしの状況だ。日本は今どこにいるのか、今後目指すべき方向は?法改正の立役者のひとり、小室淑恵氏とともに理想のワーク・ライフバランスを考察する。

「超少子高齢化が長期化する日本の経済成長を促すための最大のテーマは、長時間労働の是正です。それによって男女がともに活躍できる環境を整え、ダイバーシティ枠を広げて変革を起こす。その好循環を継続していくことが大切と考えています」

そう語るのは、ワーク・ライフバランス社の代表取締役社長・小室淑恵氏。2006年に同社を立ち上げ、これまでに1000社に及ぶ企業の働き方を根本から変えるコンサルティングを提供。「長時間労働の是正を大黒柱に100社100様の問題点と向き合い、抜本的な改革を行った結果、1社として業績の下がった会社はなく、どちらかというと驚くほど上がっている」というから何とも頼もしい話だ。

日本の働き方改革のタイムリミットまではもうわずかな時間しかない
数年団塊の世代、団塊ジュニア世代に続く第3の人口ボリュームゾーンをつくれなかった日本は、団塊ジュニア世代の女性が安心して出産・育児できる環境を、早急に整える必要がある。そのリミットは目前である。※「日本の将来推計人口(平成29年推計)」(国立社会保障・人口問題研究所)(http://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2017/pp_zenkoku2017.asp)を加工して作成。


日本の人口構造が教えるSOSこのままでは財政破綻に


小室氏によると日本の働き方改革のタイムリミットはあと数年とのこと。

「法律で決まったからやる」ではなく、「どう進めるか」を早急に検討する時期にきていると警鐘を鳴らす。では、なぜそれほどまでに働き方改革が急務なのか?その命題を解く鍵は日本の人口構造にありそうだ。

「まず、日本の少子化対策を考えたとき、最後の人口のボリュームゾーンである団塊ジュニア世代の女性が安心して出産できる環境を、早急に整える必要があります。けれど、働くことと子育てすることのどちらしか選択できない長時間労働が続く環境では、出産期に安心して2人以上の子供をもつことはできず、未来の年金の払い手も激減して財政破綻へまっしぐらです。

少子化を解決するには合計特殊出生率が2.07を超える必要がありますが、現在1.43にすぎないのです。

厚生労働省が同じ夫婦を年間追跡調査したデータによると、1人目が生まれた際に夫の帰宅時間が遅く、夫の家事・育児参画時間が短いほど、2人目以降が誕生していないことがわかります。母親にとって人目の育児が孤独でつらいトラウマ経験になってしまうことが少子化の原因のひとつ。つまり、長期労働の是正が、社会の最大の課題である少子化の解決になるというわけです。

また、働き方改革は企業の経営戦略としても必要不可欠なものだということも理解しておくべきでしょう。