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「半径5mの幸せ」から始めるボトムアップ型起業のススメ

2019/04/15 13:00

ペットグッズブランド「jiji」を立ち上げ、ビジネスの世界で新たな挑戦をしている元女子バレーボール日本代表、木村沙織さん。石川和孝副会頭との対談では、ヤングアントレプレナーとして、身近な幸せや好きなことの延長線上から始めるビジネスの可能性について語り合った。

任せる勇気が組織を強くする

石川:木村さんは、女子バレーボール日本代表のエースとして、チームをオリンピック大会連続出場に導きました。リオオリンピックではキャプテンの重責を担い、見事に務め上げました。チームのケミストリーが何より大切となるバレーで、どのようにキャプテンシーを発揮されたのでしょうか。

木村:私自身は、みんなをぐいぐい引っ張っていくタイプではないので、任命された当初はとても不安を感じていました。キャプテンに求められる役割はわかっていましたが、どうやってチームをひとつにまとめあげていくか、自分なりの方法を見つけるまでは苦労しました。日本代表には、何度も大舞台を経験してきたベテランから、国際試合が初めてとなる若手まで、あらゆる世代が集まってきます。チームを観察していくと、面白いことにそれぞれの世代にみんなから慕われる選手が必ずいるのです。選手というのはコンディションだけでなく、私生活で何かしらの悩みを抱えていると、試合で本来のパフォーマンスを発揮することができません。

そんなとき、キャプテンは選手を叱咤激励するのでしょうが、私には叱咤がそもそもできない。これはまずいと......(笑)。私は、直接、選手たちに指示を出すのではなく、それぞれの世代のキーパーソンにみんなのコンディションを聞き、誰がどんなことを考え、苦しんでいるのか、把握するように努めました。ひとつのチームですが、各世代にもうひとりのキャプテンがいるような編成です。その彼女たちに、「お願いね、みんなからちゃんと話を聞いてあげてね」と言って任せ切り......。私、何も特別なことをしていませんね(笑)。

石川:いえいえ、ビジネスに置き換えてもとても参考になるお話です(笑)。リーダーといっても闘将タイプもいれば、智将タイプもいると思います。強い組織のリーダーというのは、タイプに関係なく、ある程度の権限を部下に委譲し、責任を与えます。権限を与えられたサブリーダーは、様々なプランを考えて上司に進言したり、部下に意見したりします。会社が抱える問題を打開しようとしたり、新たなチャレンジを考えたりする人材が多く揃っている組織は将来有望です。そういうチームづくりを木村さんは自然にやってらしたのですね。

木村:眞鍋政義監督の存在が大きかったのだと思います。コーチ陣や先輩たちからもアドバイスを頂きました。自分にできないことは無理してやらず、得意な人に任せようという気持ちになれたのがよかったのだと思います。

Text by Hiroshi Shinohara|Photographs by Shuji Goto