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西宮JCの事業「〜愛のあるまち西宮 〜 西宮花火大会2018」

一人ひとりの「物語」を彩る、ある2つの試み|兵庫県

2019/04/29 13:00

吉本興業が2011年にスタートした「あなたの街に住みますプロジェクト」。07年からは国連と連携し、SDGs×お笑いの力で地域を元気にしている。そんな芸人たちが、未来を笑顔であふれる世界にするためにしていること。

「一人ひとりが自らの物語を振り返るきっかけをつくりたかった」。西宮JCの星嘉範理事長は事業の狙いをそう語った。

兵庫県西宮市は、文教住宅都市をスローガンに掲げ、多くの大学や文化施設のほか、大型商業施設と商店街が混在する豊かなまちである。利便性も高く、様々な住みたいまちランキングで上位の常連だ。

だが、そんな充実したまちでも、多くの市民が待ち望む「場」があった。1995年の阪神淡路大震災以降、中止になっていた西宮花火大会である。西宮JCは2018年、事業でそれを24年ぶりに復活させたのだ。

そんな試みに対し、開催前から多くの市民がボランティアスタッフとして参加。事業費の一部もクラウドファンディングで、265万円を集めた。当日は予想を遥かに超える1万人の市民と帰省客で賑わったという。

兵庫県住みます芸人の月亭八斗も、その中にいた。そして夜空を彩る花火を見ながら、友人と一緒にそれぞれの物語を振り返り、こう思った。

「芸人として、まちづくりでするべきことがもっとあったのではないか」。じつは、八斗はこの春から秋田県に異動になることが決まっていた。これまでの活動を不本意に感じたのだ。「そもそも、どうすれば自分の意思を地域に示すことができるのか」

そんな思いにふけっていたある日、動画サイトのYouTubeを見て、その術に気がついた。西宮JCが企画した、4月に行われる統一地方選挙の投票率向上を図るキャンペーン「GoVote」である。多くの若者が「投票に行こう」と呼びかけていたのだ。「選挙に行くという意思表示をすることが大事。1人1票でも、それが集まれば政治が動き、地域が変わる」と星理事長。すると八斗は、「なるほど、そうすれば議員に立候補する人も若年層向けの政策を打ち出すかもしれませんね。私も修業先で若者の選挙離れに一石を投じ、結果をもって帰ってきます」と言って再会を誓い、そして秋田行きの列車に飛び乗ったのだった。


月亭八斗◎1980年兵庫県生まれ。2008年月亭一門に入門し、今年で12年目。15年3代目兵庫県住みます芸人に就任。洲本のいいとこ発信大使、日本遺産!篠山のええとこ伝え大使。19年4月から、4代目秋田県住みます芸人に就き、きり亭たん方に改名。

Text by Hideyuki Kitajima