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補助金カットの危機を乗り越え、伝統の「奇祭」を守った施策

2018/08/15 13:00

まちづくりで目覚ましい活躍をみせるLOMもあれば、工夫をこらした人財育成に注力するLOMもある。特色ある取り組みや熱い志など、全国のLOMの「今」をお伝えする。

「津軽の奇祭」とも呼ばれ、47年の歴史をもつ「奥津軽虫と火まつり」。五所川原JCが主催する奥津軽を代表する祭りだが、実は、大きな危機を乗り越えて今がある。2008年、市の財政健全化に伴い、祭りへの補助金の全額休止が決定した。補助金は、祭りの予算約1000万円の半額以上。協賛金を募るなどして祭りはなんとか中止を免れた。しかし、最盛期に20台近く参加した山車は、2台にまで落ち込んだ。いかに参加団体を増やし、市民を巻き込むか―五所川原JCが打った施策は多岐にわたるが、そのひとつが、祭りの「作り手を増やす」ことだった。

まずは毎年、地元の高校生や短大生を、数十人規模で祭りの「親善大使」に任命。大使は、山車とともにまちを練り歩く、全長3m、70kg超の松明(たいまつ)の製作を担当。また、祭りを紙芝居に仕立て、小学校で読み聞かせる取り組みや、テレビ・ラジオの出演など、積極的に活動した。

13年からは、祭りの中心となる「大虫」(高さ10mの龍のような“虫”の山車)の製作を、JCメンバーが担った。大虫を作ることができる地域の人々が高齢化していることから、技術を引き継ぐために作り方を教わった。

草の根の取り組みは着実に周囲を巻き込んだ。補助金カット前に比べ、参加団体は倍増。祭りの意義を再確認したことで、参画者の信頼関係や地域への愛着も強まった。

祭りのクライマックスは、天高く燃え上がる「大虫」だ。夏を待つ6月の河川敷に、まちを練り歩いた山車や松明が集まる。火が放たれ、炎を吹き天に昇る大虫を今年も、2万5000人の市民が歓声で見送った。

公益社団法人 五所川原青年会議所