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地域防災の切り札となる?「逃げ地図」ワークショップとは。

2019/03/27 13:00

「逃げ地図」は、東日本大震災の経験と教訓を踏まえ、株式会社日建設計のボランティア部が考案し、2013年から明治大学の山本俊哉教授らが地域防災用にバージョンアップしたもの。山本教授はこれまで、三陸地方や南海トラフの被災予想知識を中心に、地域住民や小・中学生らが参加する「逃げ地図」ワークショップのファシリテーターを務めるなど、この取り組みを積極的に邁進してきた。


山本教授は言う。
「防災の最初の一歩は、各地域のハザードマップをしっかりと見ることですが、実際には、なかなか『自分ごと』として受け止めにくい。そこで『逃げ地図』を提案しています。『逃げ地図』とはハザードマップを下敷きにして、自らの手で描く防災地図です。どこにいつ逃げたら安全なのか、最も近い避難場所まで何分かかるかなどが一目でわかる。それだけでなく、自分の手で『描く』ことで、被災時の避難を自分ごとに変えることが出来ます。」

 
『『逃げ地図』の正式名称は、「避難地形時間地図」。その名が示すように、避難場所までたどり着く経路を徒歩スピードで3分ごとに色分けする手作りの地図だ。防災地図としてわかりやすさだけではなく、地図をつくる過程そのものに大きな意味がある。『逃げ地図』作りを通して、老若男女が防災について、避難について自然にそして真剣に語り合う場ができる。


ワークショップでは、参加者が地域の11本の道に手作業で色を塗る。そうすることで「避難」と「地形」、そして「時間」が、リアリティをもって地図に埋め込まれていく。また地図上のすべての道路に色を塗るルールがあるため、地元であっても普段あまり使わない道に気づくこともでき、生活圏全体をより把握する事にもつながる。


道が色分けされることで、直感的に危険な場所と逃げる方向を時間スケールとともに理解できる。これが『逃げ地図』の特徴だ。
しかし『逃げ地図』が地域防災の切り札とされる最大の理由は、その防災地図としてわかりやすさだけではない。地図をつくる過程そのものに大きな意味がある。『逃げ地図』作りを通して、老若男女が防災について、避難について自然にそして真剣に語り合う場ができる。『逃げ地図』はリスクコミュニケーションの道具をとおして機能するのだ。


ワークショップを通して、自分たち、そして引いてはまちの力を高めることこそが本質なのだ。